歌舞伎座の意味
岩波新書
今尾哲也『歌舞伎の歴史』 171p~
「歌舞伎はどのような過程をたどって伝統芸能になったのか」
これには、明治維新後に興った「演劇改良運動」「新歌舞伎」が大きく関係していました。
文明開化、西洋と肩を並べるための演劇の整備。
過去の芝居小屋の流れとは別に、(銀座にある)歌舞伎座を作って権威化したことが伝統芸能としての始まりだったようです。
それまでの芝居小屋は地名や役者名を冠していたのですが、「歌舞伎座」は一般名詞の歌舞伎を用いることで歌舞伎座の歌舞伎こそが本筋だという意味づけを行ったとのこと。
意味は作られるものだということや、一般名詞を冠することで意味が強固になる、というあたりがとても面白いなと思ったのですが。