名前をつけてもらう
人類学者が会社名を考えるにあたって、世界的に著名な人類学者に名付け親になってほしいとメールを打った
https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60196413/picture_pc_e3b34799b6973e96fd2ab3cafa7bc2b2.jpg
メッシュワークが何を意味するかというのは、いわゆるネットワークとの対比において理解することが容易いかもしれない。ネットワーク(図の下部)が点と点を結ぶ直線であるのに対して、メッシュワーク(図の上部)とは生成変化する線であり、くねくねと蛇行しながら、他の線と交わり、結び目を作っては無限にのびゆく、生の軌跡ともいえる線である。
インゴルドはまた、ネットワークとメッシュワークの対比を、輸送transportと徒歩旅行wayfaringとの対比としても説明している。現代を生きる私たちは、マッピングアプリや乗換案内を参照しては最短最速で目的地に向かうことが当たり前になってしまった。つまりそのような移動とは「輸送transport」であり、ある地点とある地点を結ぶ直線としての「ネットワークnetwork」として示される。
しかし本来の人間の移動とは、地を這うかたつむりのように、雪原をソリで移動するイヌイットのように、周囲の環境に対してそのつどに呼応しながら、開かれたありかたで世界と向きあい、予期せぬ他者と出会い、またどこかへとその歩みを続ける存在であったはずだ。そのような移動とは決して最短最速の移動ではない。古代から人間が営んできた探索的な歩み「徒歩旅行wayfaring」であり、その軌跡は「メッシュワークmeshwork」のような線となる。