偏頭痛の症状まとめ
20代
大きな音、光の場所に行くと痛むことがあった
月に1,2回
30代
回数が増えて月に8~10回のときも。
一回の痛みも増して、吐き気なども伴い、横にならずにはいられない状態に
予防薬を変えたのと整体に行ったらかなり良くなった
予防薬
ミグシス→ほぼ効果なし
トリプタノール→明らかな効果あり。頻度、痛みの度合いともに半減した
セロトニン不足は血管の拡張を促し、閃輝暗点が解け、片頭痛を起こすことになります。子供の場合は頭痛と腹痛が一緒に起こることが多く、これは消化管にあったセロトニンが関与しているといわれています。北欧のように日照時間が少ないと、セロトニントランスポーターの密度が高くなります。これは日照時間が減ると、セロトニン分泌が少なくなり、リサイクルを促進するためセロトニントランスポーターの密度が増えるのであろうと考えられています。
片頭痛を持つ人は、環境のちょっとした変化や心身のリズムの変化、ホルモン異常などに対して視床下部が敏感に反応する体質が遺伝的に受け継がれているといわれています。この興奮した視床下部からの刺激を受けて中脳からセロトニンが大量に放出され、やがて脳内のセロトニンが枯渇してしまいます。また視床下部のストレス中枢は興奮すると、脳幹にあるセロトニン神経を直接抑制し脳のセロトニン分泌を落としてしまいます。ストレス状態はセロトニン欠乏脳を生みます。
このようなセロトニンは知覚神経である三叉神経をコントロールし、また三叉神経終末にはCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が存在していることは古くから知られていました。このCGRPは血管の受容体を介して血管を拡張させるとともに炎症を起こすことが知られています。
セロトニンの減少により、三叉神経はセロトニンのコントロールから解き放たれ勝手に興奮し始めます。興奮した三叉神経は脳血管に向けてCGRPを放出し、脳血管を拡張させるとともに脳血管周囲に炎症を起こします。
その結果、脳血管は過剰に拡張し、拡張した隙間から炎症物質が漏出し、血管周囲に起こった炎症をさらにひどくするとともに、血管周囲を取り巻いている三叉神経を刺激して、痛みが増強して脈打つ頭痛が起こるというのです。すなわち体のリズムや環境の変化→セロトニンの消費と枯渇→三叉神経が興奮→CGRP放出→血管拡張、炎症→片頭痛発生という構図になります。
セロトニンはいろいろな臓器に作用し、それぞれの臓器がそれぞれの反応し、セロトニンが作用するセンサーにも、さまざまなタイプがあり、片頭痛を起こす血管だけに作用するセロトニンがあるのではないかと思われていました。その結果、脳の血管だけに作用し、セロトニンに構造が類似しているトリプタンが発見され、現在、片頭痛の治療に広く使用されています。さらに三叉神経から放出されたCGRPをブロックするという抗CGRP抗体が現在、開発されています。