ミル『自由論』を箇条書きで要約する
問題
社会的自由と、「社会が個人に対して正当に行使し得る権力の本質と諸限界」は?
解答
個人が個性を発揮して、他者を害することなく多様な幸福追求ゲームを営むこと。これが社会的自由。
なので一般的功利を損なっていないような行為を抑制することは不当。これが社会が行使できる権力の限界。
以上が功利主義の観点から見た自由の原理論。
永井・後藤 『パーパス・ドリブンな組織のつくり方』 東京大 野原慎司准教授「定常社会、成長がない社会を理想とした思想家として、経済学者として19世紀にJ.S.ミルがいます。人類の歴史が約600万年。その歴史のうち、狩猟採集生活はおそらく599万年ぐらい。農耕が始まったのが1万年とか1万2000年前。それ以前はずっとおそらく定常社会でした。もし定常社会が悪い社会であればそんなに長続きしたはずがありません。人類の歴史は実は基本的に定常社会であり、むしろ経済成長している社会自体が例外的です。19世紀以後、それまで数億人しかいなかった世界人口が爆発的に増加し、現在の72億人となり、経済が爆発的に成長しています。爆発的な成長ですから、まさに異常な状態。ですから、いずれは人類は定常社会に戻っていくでしょう。脱成長主義は仕方がない。ただ問題は、脱成長に至るスピードです。これまで成長していたのに急にそれが止まれば、成長することを前提してつくられた社会や制度に慣れている我々には痛みが伴います。」