ポストモダン
何らかの目標をもって、 事態を一定の方向に進展させてゆくのがモダンであり、 事態そのものをそれぞれ何の脈絡もなく繋げてゆくのがポスト・モダンである、
市倉宏祐、『ハイデガーとサルトルと詩人たち』、NHKブックス、1997年、 11頁
wiki
ポストモダン(英: Postmodern)またはポストモダニズム(英: Postmodernism)は、近代から脱却することを目標に、20世紀中葉から後半にかけて、哲学・芸術・建築・評論などの分野で流行した広範な思想運動である。広義には、近代のあとに続くと考えられている時代とその傾向を指す言葉である。脱近代主義とも言われる1。 ポストモダニズムは、懐疑主義(英語版)的・イロニー的な姿勢、あるいは大きな物語(英語版)や近代主義と関連のあるイデオロギーの拒絶によって一般的に定義され、啓蒙主義的な理性主義を批判し、政治的・経済的権力の維持におけるイデオロギーの役割に焦点を当てていることが多い。ポストモダニズムの思想家は、知識の主張(英: knowledge claim)や価値体系を、政治的・歴史的・文化的な言説、あるいはヒエラルキーの産物とみなし、偶発的または社会的条件が付いたものとして表現することが多い。ポストモダニズムが批判する共通の対象には、客観的現実・道徳(英語版)・真理・人間性・理性・科学・言語・社会進歩(英語版)に関する普遍主義的観念が含まれる。そのため、ポストモダニズム思想は、自己意識的、自己言及的、認識論的相対主義(英語版)、道徳的相対主義(英語版)、多元主義、および不遜などの傾向によって広く特徴づけられている。
ポストモダニズムの批評アプローチは、1980年代から1990年代にかけて人気を博し、カルチュラル・スタディーズや科学哲学、経済学、言語学、建築学、フェミニズム理論(英語版)、文芸評論、そして文学や現代美術、および音楽などの分野における芸術運動(ポストモダン・アート(英語版))など、様々な学問・理論分野で採用された。ポストモダニズムは、脱構築、ポスト構造主義、およびインスティテューショナル・クリティークなどの学派や、ジャン=フランソワ・リオタール、ジャック・デリダ、フレドリック・ジェイムソンなどの哲学者と結びついていることが多い。
ポストモダニズムへの批判(英語版)は知的な多様性に富んでおり、ポストモダニズムは蒙昧主義を助長している、無意味である、分析的・経験的知識に何も寄与していない、などの批判がなされている。