イノベーションとデザイン
ヒューマン・ファクター
人間中心のデザインをするための知識体系
「ヒューマンファクターズ」とは、認知心理学・社会心理学・生理学・行動科学・脳科学など、生物としてのヒト(およびその能力)に関わる多くの学問領域における知見を、システムの安全性や効率向上のために実用的に活用しようとする総合的学問です。元々はヒトの特性に起因するエラー(ヒューマンエラー)が事故に直結しないようにと、例えば各種製造業や運輸(それこそ航空機とか)、医療等の現場から導入されはじめましたが、近年では、人が介在するあらゆる業界において、「人間中心のシステムをデザインするための基盤」となる知識体系として注目されています。
心理学の目的、目標、そしてプロセスは、UXの場合とほとんど違いがありません。デザイナーの大半は、色彩理論やゲシュタルトの法則について知っていて、知識をいつも使っています。心理学の中で特にUXと関係が深い領域は、ヒューマンファクター、つまり人とシステムの間のインタラクションを理解し、改善するための科学分野です。(HFES, 2020)
「イノベーションは見ることから始まる」