「病気」じゃなく「人」を治そう
在り方を調整する。
めっちゃくちゃ、よくある質問でね、
「○○の症状(病気)って、どうしたら治りますか?」
って、聞かれるんです。
――ええ、もちろん、
ぼくも過去には「そんなふうに」悩んでいました。
でもね、今ならわかる。
この思考って逆に〝遠回り〟なんです。
実は、
「特定の症状を、それ用の方法で治す」
という発想は、西洋医学のもの。
つまり、
原因と対策が1つにつながっているケースに
有効な考え方なわけです。
たとえば、胃腸炎には胃薬が効く、といったようにね。
〝鍵穴どおりの形のカギ〟が存在する、という。
しかし、ですよ。
あなたの悩みって、
原因を1つに絞れるものでしょうか?
たとえば、肩こりや腰痛。
体の使い過ぎの人もいれば、使わなさ過ぎの人もいる。
内臓疲労がもとになったものも、
神経疲労がもとになるものも、ある。
原因がどこにあるかって、1つに決められないでしょう?
それこそ、
胃薬は誰だって知ってますけど、
「肩薬」とか「腰薬」って、聞いたことないですよね。
そう。
つまり、
原因も発生部位もはっきりしているような
「急性症状」には「それ用の治し方」は、ある。
でもそうじゃなくて、
原因も発生部位も人によってバラバラな「慢性症状」には
「それ用の1つの治し方」なんて、無いんです。
〝人それぞれ〟だから。
(ある程度のパターンはあるにしても、10通り以上あります)
そこが、
急性症状に強い西洋医学と
慢性症状に強い東洋医学との大きな違いですね。
「キュア」と「ケア」の差、と言ってもいいかな。
「西洋医学は病気を治し、東洋医学は人を治す」
とよく言われます。
で、ぼくら整体師も、
東洋医学寄りの考え方をします。
要するに、
ぼくらは「病気や症状を治す」わけじゃありません。
それはカラダくん本人の仕事だからね。
(本当のほんとうは、これ、西洋医学も同じなんですけどね。
「悪しきもの」を取り除いた後は、体の仕事に任せるしかない。
手術後の傷口を塞いだりとかね)
命の再生は代行できない。
だったら、
「症状や病気を治せるような体に整える」のが、
ぼくらの仕事です。
ちなみに、
整体師も人様の体を預かるんですけど、
そうじゃない一般の人も、本当はおんなじ。
みんな「体という超高性能コンピューター」を預かってる。
(先祖とか神様的な存在から……と考えてもいいでしょう)
そのイメージがたぶん、大事なんです。
じゃあ、
「共通の治し方」なんて無い慢性症状に
どう対応すべきか?
答えは「健康のベースを底上げする」こと。
具体的には、
内臓とか神経とか血流とか精神とかの状態を
良くすることです。
だから楽ゆる式では、
そんな話ばっかりしています。
実際、
楽ゆる整体スクールの生徒さんからも、
驚くような改善事例が上がってきます。
まだ初級を学んだだけの生徒さんからでさえ、
「病院でも治らなかった腰痛が良くなった」
「自分でもなぜかわからないけど(笑)
めまいが良くなったお客さんがいました!」
といった声が、
当たり前のように届きます。
これは「ベースを上げる施術」をやっているから。
「初級」とは言っても筋肉や骨格だけでなく、
神経や血流などにもアプローチしているからです。
たとえば野菜でも、
作物ごとに与えるべき肥料は違う。
でも肥料うんぬんより大きいのは、土と水の質です。
土と水が良ければ、
肥料が少なくて済んだり、無くて良かったりすることもある。
体にとって、神経や血流がよいこと、
頭やお腹がやわらかいことの意味って、それなんです。
まとめましょう。
症状名や病名を意識しないのは、難しい。
その気持ちも、自然なものです。
だからそれを調べたり、
それ用の打ち手を探すのは、いいと思うんです。
でもそれと同じぐらい……いや、それ以上に
「ベース」に注目しよう。
それが、今回、強調したかったことです。
「血流がすべて解決する」なんていう名著もあるしね。
あなたの健康法に「底上げ」は、足りてますか?
もしお気に入りのものがなかったら、
楽ゆる整体のYouTubeで「血流」とか「自律神経」って、
検索してみてね。
問題解決の最上は、
個別の問題に上手に対応〝する〟こと(Doの付け足し)ではなく、
「その程度のことは問題にもならない」ように〝なる〟こと(Beの成長)です。
ではでは今日も、お大事に。
症状や病気に詳しくないと整体師としてダメって
考えるのは、よくある勘違いですよ。