「悩み過ぎて動けない」の対処法
「頭の中が悩みでいっぱいになって、
不安だし、やる気も出ないし……
動けなくなるときがあるんです」
先日、そんな相談がありました。
ぼくもこれ、よくわかる。
でもね……
実は〝順番が逆〟なんです。
真相は――
「頭の中が悩みでいっぱいだから動けない」
のではなく、
「動かないでいるから頭の中が悩みで埋まる」
ということなんです。
なぜ、そんなことになるのか?
ぼくらが、
「思考を放っておくとネガティブに向かう」
ようにできているから、です。
これは心理学で明らかになった脳のパターンなんだけど、
この事実は、スーパー重要。
たとえばね、
あなたが知っている「ポジティブな人」を
思い浮かべてみて下さい。
その人ってだいたい、
行動力のある人じゃないでしょうか?
同じことをくり返し考えたり、
くり返しグチってたりするよりは、
「次のこと」を始めてませんか?
そう。
つまり、
体が動けば、心は「つられて動く」ということ。
だから、
結果的にポジティブなパワーを保っていられるわけです。
逆に、
普段ポジティブな人だろうと、
もし「答えの出ない悩みを考えさせ続ける」と、
心身はどんどんネガティブになります。
性格の差よりも「脳のクセ」だということね。
これも心理法則として、大事です。
こんなこと書いてるぼくも、
「下手をすればすぐ悩みで動けなくなるタイプ」です。
そのタイプ自体は、変わってない。
だからたとえば、
「今日の晩飯、何にしよう」
ということでも、考え過ぎると、スタック(固着)します。
「なんか体にいいものがいいなぁ」
「でも美味しく食べたいな」
「あー……とはいえ、太りたくないな」
「じゃあ和食かな?」
「でも最近和食ばっかりだな」
「食べたさで言ったら、中華だな」
「でも近所で体に良さそうな中華屋さんなんて、無いな」
「腹減ったなぁ、遠くへは行きたくないな」
「どうしようかな」
「どうしようかな」
「なんか面倒くさくなってきたな……」
みたいなね。
結局、
「考える」という行為も意思力を消費します。
だから、結論も出ず、行動もしないまま考え続けると、
頭が疲れてダルくなる。
意思力も磨り減ってしまう。
だから、
「悩み過ぎて動けない」って、なるんです。
じゃあこういうとき、どうしたらいいか。
動くこと……
……いや、もっと正確に言えるな。
『動かす』ことです。
●グーグルマップでお店を調べる
●冷蔵庫の野菜や肉を見にいく
●クックパッドで「中華 ヘルシー」で検索
●レシピ本をみる
●食べたい料理候補を書き出す
●いったん手を洗う
●いったん顔を洗う
●いったんストレッチする
●奥さんと相談する
どれもこれも、
手や足「動かす」ことで「自分の脳内から出る」行為。
(その動きが、大きければ大きいほど、良い)
要は、
思考に集中するのを一旦やめる、ということです。
そしたら、
たとえ「正解」ではなくても、
体は動く。
血流が動きだす。
頭がまわりだす。
氣が動きだす。
「気力」がわいてくる。
そうなったらもう、
「悩みのすぐ隣」には、いない。
解消できない悩みなんて、誰にでもあるもんね。
むちゃくちゃハッピーに見える超有能な人にだって、
悩みはあります。
でも「悩みとの距離」は、上手にとるよね。
悩みに沈むか、悩みをワキに置いておけるかという
〝距離感〟は、人によってかなり違う。
止まると、淀む。
それは思考も氣も、同じなんですね。
(淀み過ぎたものが、邪気です。無邪気の反対)
きっと「そのせい」なんです。
ヒマな人のほうが、体調が悪い。
そして、仕事人間で多忙だったおじさんが退職したら、
急に弱ったりもするでしょう?
たぶん、
マンモスを追いかけてた頃とかも、
「考えてるヒマがあったら食いもん探す」
って人が、生き延びてたはず。
そう考えると、
「動かないでいるほうが不快になる」
ってプログラムを人体に入れておいたほうが、
効率が良かったのかも知れないね。
ただそれを、現代のぼくらは、
「不快なのは動いてないからだ」ってことを、
忘れちゃってただけでね。
(頭ばかりを使って生きることが当たり前になったから)
結論。
悩みがあるときこそ、動こう。
手か足を動かそう。
「ただ考え続ける」よりは、
「無関係の趣味にでも逃げる」ほうが、
ずっと体に良いから。
それがたとえ逃避だとしても、
いっときのこと。
あとで「悩み」の近くに戻ってきたときに、
きちんと考える力も、
気力も気分も情報量も、
けっこうマシになってるはず。
脳内にいる時間を、減らそう。
これは今後、
ますます健康を守るための基本的な指針に
なっていくと思うなぁ。