教養小説
ビルディングロマンス、ビルドゥングスロマン
Wikiより
教養小説(きょうようしょうせつ、 ドイツ語: Bildungsroman)とは、主人公がさまざまな体験を通して内面的に成長していく過程を描く小説のこと。ドイツ語のBildungsroman(ビルドゥングスロマーン)の訳語で、自己形成小説1、成長小説とも訳される2。この概念はドイツの哲学者ヴィルヘルム・ディルタイが、ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』を中心に、それに類似した作品群を指す言葉として使用したことによって初めて知られ、以降は特にドイツの小説における一つの特質を表す言葉として知られるようになった。ただし、「イギリスの教養小説」などのように、類似した他国の小説に対しても用いられることがある。 教養小説には、『ヴィルへルム ・マイスターの修業時代』をはじめとして、ノヴァ一リスの『青い花(1802年)、シュティフターの『晩夏』(1857年)、ケラ一の『緑のハインリヒ』(初稿1854-55年/第2稿1879-80年)、卜一マス・マンの『魔の山』という系譜が存在する。
教養小説の独自性 ディルタイ『体験と創作』(1905年〉
青年は幸福な薄明のうちに人生に踏み入り、自分に近い魂を求めて、友情と恋愛に巡遇する。しかし、やがて世間の厳しい現実と関わざるをえなくなり、こうしてさまざまな人生経験を積んで次第に成熟し、自分自身を見出し、世界における自分の使命を自覚するようになる
ロータ ー・ ケーンの研究報告『発展小説と教養小説J
メリッタ・ゲルハルト著『ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスタ ー」に至るまでのドイツ発展小説J
ゲルハルトによると、発展小説は「既存の世界の統一的な生の形式が、すでにその最高の力と義務を失い始めたときJ(6)に生まれる。つまり時代が弱体化しているときに生まれるということである。