📖『屋根裏に誰かいるんですよ。』春日武彦(河出書房新社)
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『屋根裏に誰かいるんですよ。』春日武彦(河出書房新社)
#2025-07-16
精神科医である著者が「屋根裏に勝手に誰かが住み着いてしまった」という考えにとりつかれる数ある症例から、現代社会における精神病理を考える内容。精神病分析の観点からだけでなく推理小説や実際にあった事件などとひもづけて考察する場面もありとても興味深い。
実話怪談作家の蛙坂須美さんが面白いとtweetされていて手に取った。ある現象を認識する時に生じる個人間での差異、というテーマはこのところ私の中でトレンドでもあるんだけど、この本ではそれが大きな偏りやエラーを伴う例が挙げられている。実際に筆者が診た症例を日常にありふれている行動や小説のトリックに使われる心理などに敷衍させている横断的な読み取り方も面白い。
これを蛙坂さんきっかけで読んでいるというのも面白くてふふふとなっている。
#2025-07-17
私も現実の生活のなかで思い込みや勘違いをしやすく不思議なものを見た!という気持ちになる瞬間があるので(病気と名がつくような重大なものではないので同列に語ってはいけないとは思いつつ)人間の認識というものの不思議さには興味がある。
という意味でも自分とはかけはなれた場所の特異な話、というわけでもなく読んだ。
#読んでいる本