2026-02-09
遠くに見えていた紺色の硬そうな雲が一時間くらい経ってもやはり相変わらず遠くに見えていて、この土地はずいぶんと平らなんだなと思う。凪のようなゆるやかなのぼりくだりを繰り返しながら時々うつらうつらした。後部座席に乗っていると前のふたりの話は捕まえられない。
いつもの休憩所にはこの地方のマスタードが並んでいる。バジル味、エストラゴンの味、赤ワインビネガーが入ったもの…七色どころではない。ヌガーやビスケット、チョコレートの缶が可愛いけれどもちろん買わない。本のコーナーには子どもが退屈しないようにと色んなお勉強カードが置いてある。表には歴代の王様が、裏には歴代の大統領の顔が描かれているカードを見ながら、どちらも数えるほどしか知らないと思う。
#02-09