2025-07-24

しばらく涼しい日が続きそう。8月にはまた夏らしい日が戻ってくるのかな？

時間は過去から未来に流れているのではない、という感覚は私にも昔からあってそのあたりもとても良く表現されていてよかった。

とあるシーンで母親が自分の子供を眺めながら「いつまでも小さくて可愛いままでいてほしい」と呟くシーンがあり、一瞬すごく違和感だった。この脚本家はあらゆるディテールにこだわっているからこんな不用意なセリフを言わせるものか？と感じたのだけど、それ以降少しずつその違和感が増していって、あるシーンでそれを完璧に回収していて、ああ、あの時の、もしかしたら取りこぼすかもしれなかったくらいの小さな違和、数あるセリフの中のひとつくらいありきたりなセリフを入れてしまうこともあるだろう、もしかしたら翻訳の時の掛け違いかもしれないと思うくらいの違和を描ける作家なんだなーと感心してしまった。

その粒の細かさが絶妙で、今まで真っ直ぐ歩いていたのにある瞬間に1°くらいだけ道を逸れた感じになって（それがそのセリフ）そのままどんどん放物線みたいに剥がれてゆくかんじ。思い起こせば話の初めからその後ろに潜む脆さを感じていたのに、うまいことその前に建てられた壁のことばかり見せられてたことに気づく、というかんじ。巧い。

もう少し違う形での収束もあったんじゃないかと思ったりもしたけど（ラストだけ少し安直だったから）それでも面白いドラマだった。