2025-03-11 14年、『ムシェ』読み始め
下のリンクに忘備録が出てきたので14年前の震災時のメモを読み返す。
https://amayadorinoshoko.hatenablog.com/entry/seisme
この地震が起こるほんの少し前には、舞台で自分がどんなふうに感じながら踊るかを考えながらこれを書いていた↓
https://amayadorinoshoko.hatenablog.com/entry/diary/2011/03/honbanmae
今日まですっかり忘れていた。
東日本大震災が起こるまでの数年間、片時も休まず会社と稽古とリハーサルと本番に追われていた。朝7時半に家を出て、夜中の1時に帰って、それからご飯を食べて眠る生活。疲れたときは山手線をわざと乗り過ごして眠った。
踊りを始めてからずっと家は眠るために帰る場所でのんびりしたことがなかったから、震災のあと会社にも稽古にも行けず家にいることが不思議でならなかった。まだ電車も通らないのに郵便屋さんは手紙を届けてくれること、私が近所のひとどころか隣の人の顔も名前も知らないことにはじめて気がついた。
舞台も減り、仕事も辞めることになって、当たり前の時間にご飯を食べたり寝坊をしたり近所を散歩してみたりして、こういう生活もあるんだなと知った。
まだ電車が通ってなかったのに友人が自転車で会いに来てくれて、久しぶりにネットじゃなくて顔を突き合わせて色んな話をした。地震が起こったとき何をしていたのか、そのあとどう感じたのか、これからどうしたらいいのか。そのときの経験からアパートメントというウェブサイトを作った。そこに来れば毎日誰かが何かを話している、同じ時間の中で他の人がなにを感じているのかに触れることができる。明日もここに来てみようと思えるところ。
14年か。
まだ忘れられないこともあるし、忘れてしまったこともあるだろうし、まだ語られていないこともあるだろうし、語ったつもりで全然語れてなかったということもあるだろう。
何十年も経ってからやっと口に出せることもある。
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朝から仕事の催促メールが来て飛び起きる。
情報が混乱しているので(3人しかいないのに)グループメールを作ってシンプルにする。
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📖『ムシェ 小さな英雄の物語』キルメン・ウリベ/金子奈美訳(白水社)
『狼たちの月』に続いてスペイン内戦下のバスク地方についてかかれたこちら、手元にあったのを思い出したので読んでみる。
ビルバオからフランスのラ・ロシェルを経由してベルギーのヘントへ亡命した多くの子供達の中のひとり、カルメンを引き取ったロベール・ムシェの話。スペイン内戦から第二次世界大戦、その後ノイエンガンメ強制収容所に続く話なのだそう。
私の友人の話(2025-03-09 魚を買いに、友人の古いラジオの話、本を読みたくなるYouTube#67cd8fe4eff4c000005c5c3d)もそうだけれど、歴史だと思っていた世界大戦の跡が今も続いている場面に出会うと、どうして自分はこれまでこのことを知らずにおれたのだろうと思う。
#03-11