2025-03-09 魚を買いに、友人の古いラジオの話、本を読みたくなるYouTube
てっちりや鯉の刺し身を食べている動画を見て魚を食べたい口になったので今日はなんとしても魚を買う、と決めて市場に行った。魚と大きめの海老。感じの良い魚屋さんだった。迷ったけれど頭とひれは除いてもらった。時間があるときには出汁に使ったりするけれど今日は省略。海老を茹でて、大根とたけのこ、椎茸と葱とにんじん、お餅でうどん。
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作業しながら『乳と卵』川上未映子著 をaudibleで。
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のち『📖『狼たちの月』フリオ・リャマサーレス 木村榮一 訳(ヴィレッジブックス)を。
フランコ政権下のレジスタンスといえば、どうしても友人の話を思い出す。
友人の家の屋根裏にあった古いラジオのこと。
おじいさんの形見分けで友人がそのラジオに目を留めたとき、集まったうちの誰かが、そのラジオはスペイン内戦中に情報を得るために家を渡り歩いていたものだと思い出したのだそう。
情報統制も厳しかった当時、町に一台だけ残ったそのラジオを人々は持ち回りで預かり、夜にこっそりと集まって放送を聞いたのだという。この家にあったんだなあ、とその人は意外そうにした。なぜなら、おじいさんはレジスタンスを取り締まる側(つまりフランコ側)の人間だと町の人に長く認識されていたからだった。
しかし後日、おじいさんの元妻(内戦後に離婚している)が遺品を整理したところ、実は彼はフランコ側にいると見せかけながらレジスタンス側で働いていたことが分かった。つまりフランコ側にスパイを働いていたということ。
町の人々は彼をずっと体制側だと思っていたし、元妻でさえ真実を知らなかった。彼は戦後フランコ政権側であったことで投獄までされている。おじいさんの息子(友人の父親)は内戦時のいきさつから父親とは縁を切ったまま、若くして亡くなっている。
何故彼が真実をいっさい口にしなかったのかは誰にも分からない。誰ひとりにも、家族にすら、内線はもう終わって久しかったのに。
友人は、これは想像にすぎないけれど、彼は家族を守るために真実を死ぬまで守ろうとしたのだと思うと言っていた。そこには戦時中に植え付けられた強迫観念のようなものがあったのかもしれないし、もしくは、自分がスパイをしていたことで取り返しのつかないほどにこじれた縁について、もうすでにどんな弁明も手遅れだと思っていたのかもしれない。
亡くなるまで家族の中でおじいさんの存在はタブーのようなものになっていたのだけれど、遺品から真実が紐解かれているそう。
レジスタンスのためのラジオが最終的にこのおじいさんの手に渡って守られていたことは、彼が町を守ったことをあらわしているんだろうか。
この話を私はオーロラが揺らめく夜にアイスランドの強いお酒をちびちび舐めながら聞いていて、まるで壮大な映画を見たような気持ちになったのだった。
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ヨイヨルさんの本紹介動画🎥
https://youtu.be/8LyQKiu8wlA?si=Hyr5qjnsqg3Vjozb
紹介された3冊どれもすごく面白そう、読みたくなる…。
ドストエフスキーはいつも読むまで「なんか難解で地味そう」と思うのに鮮やかにぶっ飛ばされる、でも次回までにそれを忘れてしまう不思議な作家(私にとって)。
パペットヨイヨルくん、私が小さい時に見てたNHKのなにかのパペットをすごく思い出すのでもしかしたら同じご出身かな…(今調べて思い出した…いちにのさんすうのタップくんだ!!お肌の感じと、口があむあむする感じが似てる)(とか言ったらいろんなパペットは似てるってことになるか)
でも考えてみたら、私はヨイヨルさんが読んで話している本をほとんど読んだことがない。それなのにこんなに面白いと思えるのすごいな。ヨイヨルさんのお話してくれた本はもちろん、ブクログを見に行ってまでそこにある本を読みたいものリストに入れているという、ちょっと気持ち悪いわたし。ヨイヨルさんがおすすめしている本を読むためだけにでもあと100年生きたい。
#03-09