2023-08-29 打ち崩せない、現代思想入門再び
「どうせ私の言う事など聞いてくれない」ということが自分にとって負担だから、という理由で、相手に自分の言うことを聞かせたいとは思わない。
負担に感じていることがあればそれはそれで解決すべきであって、感情的になって双方を混ぜてしまってはいけない。
なぜならそうすることで目的から遠ざかってしまう。
目的に沿った道のりの間で喧嘩をしたり嫌な思いをさせることは致し方ないけれど、不用意に逸れた脇道でやりあっている暇はない。
切羽詰まっていると、そこらへんは早いな。
作者の千葉さんの言葉はTwitterもそうだけれど、明快で分かりやすく、ちょうどよい色合い、するりと口に入って心地よい杏仁豆腐のような感触がする。
考え抜きながらも、感覚を閉じずにユーモアを持って語る方なんだろうなという印象を持っている。
言葉やシステムで整理し、速くたどり着かないと生活が成り立たないからそっちもするとともに、言葉ならぬというか、言い尽くせぬ、ただそこにあるまるごと、感覚的なことと言えば良いのか体に直接触れることと言えば良いのか、そういうことの間のことが第一章では語られている。(…という風に、私の中の今の問題と繋げただけだけど)
心地よく順序立てられ、飲み込みやすい言葉で語られるとつるつると入ってきて、うんうんそうだ、分かるわかる、と読めてしまうのだが、ある時いきなり「あれっ」と引っかかる箇所がある(多分第4章くらいから)。
そこから先に進めず、ちょっと時間を置いてまた最初からつるつるをもう三度くらい繰り返している。
この本を読もうと思ったのは、哲学や思想に興味はあるけれど、固有名詞や専門用語が出てくるとよく分からなくて読み飛ばさざるを得ず、それをそろそろ解消しておきたいなと思ったというのもある。
今回は読み通したい…と思うがもしかしたら今の知識の限界がそこにあるのかもしれない。せめて見極めたい。