D&D 基本ルール:戦闘
戦闘はラウンドの繰り返しによって構成され、ラウンドごとに戦闘の参加者は1回ずつ自分のターンを行う
1ラウンドは約6秒のゲーム内時間の流れを表す
戦闘の流れ
1. 不意打ちの判断:戦闘参加者に不意を打たれたものがいるかDMが判断する
2. 位置の決定:各キャラクターとモンスターの位置をDMが決定する
3. イニシアチブのロール:戦闘参加者がイニチアチブをロールし、ターンの順番を決める
4. ターン処理:戦闘参加者全員がターンを行う
5. 戦闘が終了していなかった場合は次のラウンド(ステップ4)を繰り返す
不意打ち
どちら側も隠れようとしなかった場合はお互いに自動的に気付く
そうでない以外の場合、隠れている者の【敏捷力】〈隠密〉判定と、その相手側の者全員の受動【判断力】〈知覚〉の対抗判定を行う
これによって相手に気付けなかったキャラクターやモンスターは、不意を打たれることになり、
自分の第1ターンで移動やアクションを行えない
自分の第1ターンの終了時までリアクションも行えない
イニシアチブ
戦闘開始時にに、戦闘参加者全員が【敏捷力】判定を行う(これをイニチアチブのロールと呼ぶ)
各ラウンドでは、このイニシアチブの順序で各人がターンを行う
イニシアチブ順はラウンドごとで変化したりせず戦闘中で一定である
ターン
各キャラクターは自分のターンに、1つのアクションと、最大で自分の移動速度までの移動を行うことができる
クラス特徴や呪文などで、ボーナス・アクションと呼ばれる追加のアクションを通常のアクションとは別に行えることもある
アクションや移動を行わないことも可
戦闘中のアクションにどんなものがあるかは後述する
自分のターン中、アクションでも移動でもないちょっとした行動を、移動やアクションの途中に行ってもよい
声や身振りによる意思疎通
その場の物体を1つ扱う
移動の途中の扉を開く
攻撃のアクションの一部として1本の剣を抜く
なお同じターン中に2つ目の物体を扱いたければ、それにはアクションを費やす必要がある
移動
自分のターンの移動は自由に分割して、アクションの前後それぞれで移動を行うことができる
下記のような場合、移動の制限や速度低下が起こる
伏せた状態から立ち上がるためには移動速度の半分を費やす必要がある(逆に伏せるためには移動を使う必要はない)
がれきや急な階段などは、移動困難な地形とみなされ、1フィート移動するごとに、1フィート多い移動と数える
伏せ状態で移動するときは這い進みになるが、この場合も1フィート移動するごとに、1フィート多い移動に数える
なお、移動困難な地形と這い進みによる移動速度の低下は累積する
他のクリーチャーのいる位置をすり抜けて移動するのは、それが敵対的なクリーチャーでなければ可能である
一方敵対的なクリーチャーのスペースはそのクリーチャーのサイズ分類が自分と2段階以上離れている時のみ通過可能
なお、敵対的クリーチャーのスペースと隣接した位置(間合い)から離れるときには、機会攻撃を誘発してしまう
アクション
戦闘中にとれるアクションとして基本なものとしては以下がある
援護:友好的なキャラクターの作業や攻撃を援護し、その能力値判定や攻撃ロールに有利がつく
回避:攻撃を避けることに専念し、自分に対する攻撃には不利がつき、自分の【敏捷力】セーヴに有利がつく
隠れ身:隠れるために【敏捷力】〈隠密〉判定を行い、成功した場合は『見えない攻撃者・見えない目標』としての利益を得る
攻撃:1回の近接攻撃または遠隔攻撃を行う、詳しくは後述
捜索:何かを見つけ出すことに専念する、対象により【判断力】〈知覚〉もしくは【知力】〈捜査〉判定を行う
待機:取りたいリアクション(トリガーと行うアクション)を宣言し、次の自分のターン開始時より前のどこかでそのリアクションを用いて行動するようにできる
早足:そのターンに追加の移動を行える
物体の操作:扱うのにアクションが必要な物体や、2つ目以降の物体を扱う
離脱: そのターンの間、機会攻撃を受けない
これ以外にも、クラス特性で与えられたアクションや、その場で思いついたアクションを取れることもある
リアクション
自分のターンか他者のターンかを問わず行える、リアクションと呼ばれる特別なアクションがある
あらかじめ決まったトリガー(作動条件)に対して即座に反応する
後述する機会攻撃はリアクションの一種
1回リアクションを行ってから次の自分のターンの開始時まではリアクションを行うことができない
攻撃
攻撃アクションは次の流れで行う
1. 目標の選択:キャラクターの攻撃の射程内の目標を選ぶ
2. 修正値の決定:目標が遮蔽を得ているか、有利・不利などを判断する
3. 攻撃の解決:攻撃ロールを行い、ヒットしたならダメージ・ロールを行う
攻撃ロール
攻撃ロールでは1d20をロールし、修正値を加算したものが、目標のアーマー・クラス(AC)以上なら、攻撃がヒットする
攻撃ロールへの修正値は、
能力修正値:近接武器は【筋力】、遠隔武器は【敏捷力】
ただし、"投擲"特性を持つ遠隔武器なら【筋力】など例外もある
習熟ボーナス:習熟した武器を用いる場合は習熟ボーナスを加える
特別な場合として
1d20で20が出た場合は、ACや修正値に関係なくヒットし、これはクリティカル・ヒットになる
1d20で1が出た場合は、ACや修正値に関係なくミスする
見えない攻撃者・見えない目標
見えない目標を攻撃する場合
攻撃ロールに不利を受ける
また、狙った位置にそもそも目標がいない場合は自動的にミスになる
逆にこちらのことを見えていない相手を攻撃するとき
攻撃ロールに有利を得る
隠れている状態は攻撃がヒットまたはミスした時点で解除される(相手に気付かれる)
射程
近接攻撃では
ほとんどのクリーチャーの間合いは5フィート
ただし、一部の大きなクリーチャーでは5フィートより大きい間合いを持つことがある
遠隔攻撃は武器によって射程が異なり、また敵との距離によって有利・不利がつくことがある
通常射程のみの武器・呪文の場合:その射程内のみ攻撃できる
通常射程と長距離射程を持つ場合:長距離射程まで攻撃可能だが、通常射程を超えるときは攻撃ロールに不利がつく
接近戦(5フィート以内でかつ見られている場合)なら、攻撃ロールは不利を受ける
機会攻撃
敵のクリーチャーが自分の間合いに入ってから離れる瞬間、自分のリアクションを使って、1回の近接攻撃を行うことができる
離脱アクションを行えば、敵クリーチャーからの機会攻撃を誘発しなくなる
二刀流
両手に軽武器の特性を持つ近接武器を装備していて、片方の手に持った武器で攻撃を行った時、ボーナス・アクションとして別の手の武器で1 回の攻撃を行える
遮蔽
遮蔽には3段階あり、複数の遮蔽物があるときもそのうち最大の遮蔽のみが適用される
1/2遮蔽:ACと【敏捷力】に+2ボーナスを得る
体の1/2が隠れる、低い壁、大きな家具、細い木の幹、(敵味方関わらず)クリーチャーなど
3/4遮蔽:ACと【敏捷力】に+5ボーナスを得る
体の3/4が隠れる、鉄格子、矢狭間、太い木の幹など
完全遮蔽:直接目標として選ぶことができない
ダメージ・ロール
使用する武器や呪文に定義されているダメージ(1d8など)をロールし、修正値を加えたものをダメージとして目標に与える
修正値は、
武器の場合:攻撃ロールで用いたのと同じ能力修正値(習熟ボーナスは含まない)
呪文の場合:呪文により異なる
攻撃がクリティカル・ヒットのときは、追加のダイスをロールしてそれをダメージに加える
例えば、元の武器や呪文のダメージが1d8ならば、2d8をロールし、修正値を加えたものがダメージになる
ダメージ種別
ダメージには以下の種別がある: [殴打]、[光輝]、[酸]、[斬撃]、[刺突]、[死霊]、[精神]、[電撃]、[毒]、[火]、[雷鳴]、[力場]、[冷気]
クリーチャーは特定の種別に対する抵抗や 脆弱性を持つことがあり、抵抗があればダメージは半分に、脆弱性があればダメージは2倍になる
死亡と気絶
ヒット・ポイントが0になると、そのキャラクターは死亡もしくは気絶状態になる
即死:受けたダメージが、ヒット・ポイントを0にし、かつその"余り"が、最大ヒットポイント以上なら、即死する
気絶:ヒット・ポイントが0になったが即死はしなかった場合は気絶状態になる
なお、モンスターのヒット・ポイントが0になったときはダメージの量に関わらず、死亡したとして扱うことが多い
死亡セーヴィング・スロー
自分のターンに気絶状態なら死亡セーヴという特殊なセーヴィング・スローを行う
死亡セーヴではいかなる能力修正値や習熟ボーナスも適用されない
1d20をロールし、出た目が
10以上なら成功
9以下なら失敗
1のときは失敗2回分として扱う
20のときはヒット・ポイントを1回復する
死亡セーヴに3回失敗すると死亡し、3回成功すれば容体安定化する
気絶と容体安定化
気絶中に1でもヒット・ポイントを回復すれば、気絶状態は終了する
気絶中にダメージを受けるとそれは死亡セーヴの失敗1回分としてカウントする
容体安定化すると、自分のターンに死亡セーヴを行わなくてよいが、引き続き気絶状態として扱う
容体安定化状態でダメージを受けると容体安定化は終了し、再び死亡セーヴを行わないといけなくなる
アクションとして、気絶状態のキャラクターの応急手当を行うことができ、難易度10の【判断力】〈医術〉判定に成功すれば、容体安定化させることができる