「先生の手紙」
『MONKEY』Vol.22(2020年10月刊行)収録
円城塔曰く、「幽霊小説」
これは確かに正しい。事実のみを書いているのだが、確かに幽霊小説になっている。
ここに書かれていることはすべて事実。いつものしかけやトリックの類はまったく存在しない。
“その本”とは、原啓介『眠れぬ夜の確率論』(日本評論社、2020年)
“先生”は実在の人物で、2020年10月現在既に死去している
イニシャルでヒントを書いておくと、Sという出版社から『K』という数学(物理学?)の名著を翻訳刊行したTという数学者。この人はたしかにえらく頭のいい人だという話を聞いたことがあった。
イニシャルから分かる通り、先生は金子邦彦ではない。