第13回文化庁メディア芸術祭
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平成21年度、第13回文化庁メディア芸術祭に行ってきました。そこで見たもののメモや、感じたものなどを自分用にメモしてみます。
アート部門
総じて会場の混雑が激しかったため、あまりゆっくり見れませんでした。
大賞: growth modeling device
タマネギを植えた時に、地上から出てくる芽の成長過程を表している。会場で見たときは、超ゆっくりなベルトコンベアの上で、成長過程の順番に並ぶタマネギがぐるぐる回っているだけで、趣旨がよくわからなかった。
家に帰って動画を見て初めて趣旨が分かった。会場で見てみた感想としては、あんまりインパクトがなくて大賞作品と気付かなかった。多分、実際に成長過程をスキャニングしていることに気が付ければもっと面白いオブジェクトとして見られたと思う。
優秀賞: Mr. Lee Experiment
会場が混み過ぎて、見損ねてしまった。そのため、感想が書けない。。。
優秀賞: Nemo Observatorium
大きな円柱の中に椅子が置いてあって、その周りをぐるぐる粒子が回るというインスタレーション。以下のページに写真や動画あり。
画面の上でみるとあんまりインパクトがないように思えるけど、会場で見ると、その大きさと「シャァァァァァ!」という粒子の擦れる音ですぐに目に入る。
実際、中に入ってみないと感じ取れるものがないのだろうけど、混み過ぎて列に並ぶ気力が出なかったため、体験せず。
優秀賞: SEKILALA
なんとなくもやもやと不安な感じにはなるのだけれど、やっぱりコンセプトとかはよく分からなかった。多分、人が多過ぎて途中から途中までしか見ていないのと、ドンツコチンカンチンジャラと周りの音が入り交じっていたからだと思う。
優秀賞: Braun Tube Jazz Band
一番インパクトがあった。その上、技術的にも面白いなぁと思った作品。好きな作品でした。
サイト上の分類では「パフォーマンス」となっていて、会場では実際に作者である和田永さんが演奏されていました。
ディスプレイ面を天井に向けて、ボンゴやコンガのように叩いているのですが、ブラウン管に映し出される直線的なノイズとテレビを叩くという異様な行為で不思議な空間になっていました。
どうしてブラウン管を叩くと音が鳴るんだろうと不思議な気持ちでわくわくしながら見ていると、「どう?」と和田さんから声をかけていただいて、実際に触ることができました!
汗だくになって演奏しながら「長時間続けると健康に悪いですねぇ」と語る和田さんを見て、これは感電でもするんではなかろうか、これは和田さんが我慢して辛い中演奏している過激なパフォーマンスだったのではないかと、おっかなびっくり触ってみると、全く感電することもなく(当たり前ですが)普通に音が出ました。
出る時の感覚は、ATMに触るときにようにそっと触れるようではダメで、べったりと触らないと音が出ません。その音の出る条件が素晴らしく、まさに電子打楽器を演奏するという感覚でした。
この作品はアイデア(というよりも発見?)が素晴らしいのはもちろんなのですが、この作品を通して、日常的に当たり前のように見ていた物が、全く異質なモノへ変容する瞬間を見せつけられた点で非常に感動しました。「見る」行為のための出力機器であるテレビ受像機を、「奏でる」行為のための入力機器にしてしまうというこの衝撃にはただただ驚くしかなかったです。
奨励賞: F - void sample
長蛇の列になっていて面倒くさかったので見ませんでした。
エンターテイメント部門
大賞: 日々の音色
既にYouTubeで見ていたので、会場では見ませんでした。初めて見た時から大分経つので、あまり詳しく書けないのですが、途中からわくわくしながら見ている自分に気が付いた時には思わずにやりとさせられました。
実際に以下のリンクから見られるのでぜひ見てみてください。
優秀賞: Fake It!
展示会場に入ってすぐにあった作品。サクサクと人が落ちる様をしばし呆然と見てしまいました。
なんで事故が起きないんだろう、と不思議な気分になってきます。
ありきたりな感じかと思いきや一度も見たことがない映像という不思議さ。
以下のリンクから視聴できるので、実際に視聴してもらったほうがこの感覚を共有できると思います。
優秀賞: scoreLight
白い紙の上に置かれた黒い線をひたすら追うレーザー光が美しい作品。ライントレースする手法自体は多いように思うけれど、ライントレースの結果として出力されるサウンドが心地よかったように思います。
その他
以下はよく見ていない作品のため割愛
優秀賞: NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム
優秀賞: LOVE DISTANCE
奨励賞: アサヒ・アート・フェスティバル
アニメーション部門
割愛
マンガ部門
割愛
マンガ閲覧コーナー
会場の最奥部に位置する休憩所。自由に座ってマンガを読めるようになっていた。
マンガ喫茶に置かれているとそんなにありがたがられないマンガが、美術館の中にあるという理由で高尚な扱いを受けているというのは不思議なものだなぁと思いながら通りました。まぁ実際、そんな事はなく普通に休憩しながらマンガを読んでいた方ばかりだと思うのですが。
twitter広場
ネーミングからして、何か不思議なガジェットやインスタレーションがあるのかと思いきや、ハッシュタグの検索結果をMacで表示しているだけでした。せっかくのメディア芸術祭なんだから、見せ方をもう少し工夫してほしいなぁと思ってしまったり。