第1芸術から第10芸術
僕が専門とするフランスなんかで見てみると、例えば80年代後半に、ラジオ・テレビ・写真というのを「メディアアート」としてグループ化してそれを第8芸術とカテゴライズし、第7芸術は映画、というような形で公に芸術カテゴリーを整備していくわけです。そして、同時にメディアアート・インターリレーションセンターのような施設を国がつくる。そして、次には第9芸術としてバンド・デシネが定義され、今はついに第10芸術を射程に入れて議論されていく。芸術論みたいなものが堆積のように積み重なっていく構造になっているわけですね。今はゲームの世界を第10芸術と呼ぼうとして論争しているようです。
白井氏はヘーゲルの芸術の定義を引用。かつては、第1芸術「建築」から始まり、彫刻、絵画、音楽&ダンスと続き、詞まででした。フランスの哲学ではこれに加え、「漫画」や「テレビドラマ」、その第10番目には「テレビゲーム」がくるとされています。この定義により、芸術が内包する対象が時代と共に広がってきたということが分かります。
フランス(?)による第6芸術以降の定義