ケルビン波
浅水方程式を解く:慣性重力波:地衡流:ケルビン波#673d855b1f0a6b000074fe8bから続き
もし,分散関係$ \tag{10} \sigma=\pm \sqrt{gH(k^2+l^2)+f^2}
において,$ l=iaのような虚数解を取ることがあるとしたら?
->>$ \tag{10} \sigma=\pm \sqrt{gH(k^2-a^2)+f^2}
慣性周期fより大きい時間スケールで分散関係が成立する.
これは指数解を持つので,y=0に境界を持つと仮定した海洋($ y \ge0)を想定する.(つまり,陸に沿った海である.)
図:http://fnorio.com/0142Kelvin_wave/Kelvin_wave_1879.html
->イメージ
https://gyazo.com/14a6c9cd3bac53d70418ee7f0d1697ee
$ \left(\frac{\partial^2}{\partial t^2}+f^2 \right)v=-g\left( \frac{\partial\eta^2}{\partial y \partial t}+f\frac{\partial \eta}{\partial x} \right)
from慣性重力波#64240055683da30000e6a54b
より,波動解を同様に与えて,$ vは,
$ v=-\frac{ig}{f^2-g^2}(a\sigma-fk)\eta_0 \exp(-ay) \exp(i(kx-\sigma t))
(この場合の波動解$ \etaは,上の式の$ \eta_0以降になるよね)
$ y=0で,$ v=0の境界条件より,
$ a=\frac{fk}{\sigma}
である.ケルビン波#64240766683da30000f0b3beに代入
->ごめん,くそ長いから,過程を端折ります.時間あるときに書きます.あか.icon
$ a=k,\quad \frac{f}{\sqrt{gH}} \qquad \rightarrow\qquad \sigma=f,\quad k\sqrt{gH}
一つ目の解は慣性振動であって,波ではないので除外
二つ目の解は進行方向(x方向)の波数kで割れば,その位相速度cは,
$ c=\sqrt{gH}
となり,重力波(流体)と一致する.
この様に,境界があるとき(波長が虚数を取るとき),重力波は変形半径より大きいスケールでも伝播することが出来る.
->特に沿岸境界の時:沿岸ケルビン波
->赤道境界の時:赤道ケルビン波 -> エル・ニーニョ南方振動(ENSO), 熱塩循環