顧客の要望を聞く
プロダクト・オーナーという仕組みは、ユーザーと開発者を互いに隔離する隘路になりかねないですね。ちなみに、XPには、「オンサイト顧客」といって、ユーザーとプログラマが気軽に話せる環境を作るためのプラクティスがありました。似ているようで正反対。
この手の話でいう「顧客」というのは「発注者」くらいのような気がしてならない。
特にコンシューマユーザから直接話を聞いても無策だと特に良いことがない。
かといってコンシューマユーザの話は無視していいというわけではなくて、うまく信号変換する必要があるんだけど、そこらへんの実践的な話はあまり流通していない気がする。
いわゆる古き良き受託開発では、発注者が要求したものがどんなにゴミに見えてもそれを正確に作ったらおおむね売上は立つので開発の支障にならない限り要求を疑わなくていい (基本的には) けど、特にコンシューマ向けのサービスだと顧客が求めているものを正確に作ったとしても、それで売上が立つかどうかはまったく相関がないので、そこが難しさの源泉のような気がする。
言い換えると「発注者の要求を叶えれば売上が立つ」という安定した事業構造を前提に置いた上での後段の話として要求分析とかがhowの話として活きてくるけど、不安定な事業構造が前提にあると、そこからアプローチしなければ売上というアウトカムは最大化できないのでたいへん。