甘利航司(2014)
甘利航司(2014), 「新たな刑事制裁のための電子監視の総合的研究」
だが、実証的なデータの解析を行うと、GPS型電子監視には―在宅拘禁型電子監視と同様に―再犯を防止する効果などない。その理由は、難しいものではなく、まず、GPSが付加されているからと言って、性的な攻撃に向かう特定の動機をコントロールできるわけではないからである。そして、対象者は、(就業・学業などに)問題があるからこそ再犯をするのである。これは、性犯罪者といえども、犯罪をしてしまう理由は、他の犯罪(例、窃盗罪)と特にかわらないということでもある。そういったものは、(24時間体制で)監視することで改善・解消するなどということはありえないからである。