保健所職員の告白「検査も人員も何もかも足りない」あまりに過酷な現場
『「当初から都内でコロナ陽性患者を受け入れる病院数もベッド数も限られていました。だからこそ、トリアージの観点から徹底してクロ(陽性の可能性が高い人)を優先する空気がありました。具体的には38.5度以上の発熱がなければ、検体採取ができる外来に繋ぐことはしなかった」』
『この「38.5度」という数字は、あのダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が発生した時にも指標となった。両親が同客船に乗船していた家族はこう証言する』
『「船内では、PCR検査を実施するか否かの判断の目安が、38.5度の熱が4日以上続いている、でした。37.5度では検査もしてもらえなかった。中には38度あっても検査をしてくれず、処方されていた解熱剤を飲まないと申告して、やっと検査に回された人もいたそうです。あと年齢もあったと思います。80歳の父は優先して検査を受けられましたが、70代の母は38.5度あっても検査は後回しにされました」』