クラスターをどう見つけるか
『通常の接触者追跡調査では、見つかった感染者の先(接触者)に感染者がいないかどうかという、どちらかというと前向きの調査に重きが置かれている』
→ 前向きの調査
『この場合、早く見つかった感染者は早期に自宅待機などの対応がなされているので、家庭の中で家族などに 2 次感染が起きる可能性はあるが、行動制限によりその先は遮断されており、新たなクラスターの感染源となる可能性は低く、確率的にそのような感染連鎖は継続せず消滅することになる』
→ 早く見つからなかった感染者については?
『むしろ見つかっていない(見えていない)感染者がすでに新たなクラスターの感染源になる可能性があるので、そのような潜在するクラスターをできるだけ見つけて、その先のクラスター連鎖を遮断する作業が必要である』
→ ここでの「見つかっていない感染者」は、接触者でまだ見つかっていない感染者というよりも、孤発例のようなものを指している?
『クラスターにより感染連鎖が継続していると考えられることから、リンクが明らかでない感染者の周辺にはクラスターがある可能性が高い。つまり、孤発例はどこかに隠れたリンクがあり、クラスターの一部を形成していると考えて調査を進める必要がある。そのためには、特に地域で複数の感染例が見つかった場合に、共通の感染源を後ろ向きに探していく作業が何よりも必要である』
→ 後ろ向きの調査によって、孤発例からクラスターを探していく作業が必要。
『非常にとらえにくいこの感染症の地域拡大を効率良く抑制していく対応を進める観点からは、一旦接触者として囲い込むことが可能と判断された人々の日々の健康状態の確認は最小限に留め、潜在的なクラスターの検出に取り組むことがより重要であると考えられる』
→ 前向きの調査より後ろ向きの調査を優先すべき
医療機関や福祉施設については通常のクラスター形成とは異なるので注意!
『医療機関内で感染連鎖が成立している場合は、これまで述べてきた、市中において 1人の感染者から多くの人が感染し(クラスターの形成)、そのクラスターが連鎖するというパターンとは異なる。また、医療機関内での 2 次感染の規模は決して大きくないものの連鎖が続くことが考えられることから、その検出には異なるアプローチが必要である』