読書:倉下忠憲著「Scrapbox情報整理術」
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わたしが毎日最低一度は何らかの形で活用している「Scrapbox」について書かれた初めての本が出版されると聞いて、すぐに予約しました。先日、届いていたのですが、このたび、「教室『学び合い』フォーラムin静岡」に参加する移動の新幹線の中で、読んできました。 世の中に出る初めての本だし、「Scrapbox」という存在そのものが(今のところ)唯一無二のツールなので、どのように著者の方は本を進めていくのだろうと思っていたのですが、初めてScrapboxに接する方のためにマニュアル的なことも書いてあるし、Scrapboxの考え方や活用方法を想定した思考術、情報整理術、に関することも書いてあるしでバランスの良い良書だと思います。 わたしは、(知っている方は知っていると思いますが)少しオタク的にICT活用に取り組んで(といいますかのめり込んで)きたことがあります。パソコンのソフトやiPhone、iPadのアプリの中で、およそ「思考」に関するソフト、アプリがあると有料、無料、かまわず片っ端からインストールして使ってみるという癖があります。 また、ある一定期間くらいまで(5年くらい前まででしょうか)、「情報整理術」や「思考術」に関する本は片っ端から読んできた経験もあります。
だから、わたし自身が「思考術」「情報整理術」の達人になったかと言われれば、それは難しいところで(苦笑)、「知っている」と「できる」は異なるわけですね(爆)。「知っていること」も「できること」もどちらにも価値はあると思いますが、やはりこの2つを比べると「できること」が有利です(笑)。あこがれます(笑)。
わたしの場合、取り組んではみるものの、続かないことが多いのですよね…。
その中で、ずいぶん前から、「脳のシナプス」的な思考術、情報整理術にはずっとこだわりを持っていました。わたしが思い出したようにくり返し書くBTRONやこのOSを積んだモバイル機器「BrainPad TiPO」はまさしくこの「脳のシナプス」的な思考術、情報整理術を体現してくれるであろうものとして、のめり込んできたものでした。しかし、ビジネス上の問題等々から、これらを使うことは今現在できなくなっています。 そんな中、今まさに、この「脳のシナプス」的な思考術、情報整理術を簡単にできるようにしてくれるのが、「Scrapbox」です。このワクワク感、わたしがいう、「脳のシナプス」的な思考術、情報整理術に共感してくださる方にとっては手放せないツールとなることでしょう。 わたしに引き寄せて書けば、新規の情報や考え方というものは、少なかったですが、「ほうっ」「へえっ」というのが2か所ありました。
その1 テロメア(一般の文章で言えば、「行」のようなもの)ごとにURLを持っているということ(本書 35ページ)。これをどのように実益に使うか、まだ具体的に想定できませんが、本書では「公開しているプロジェクトで、特定の箇所だけを誰かに知らせたい場合などに行URLは活躍してくれます」と書いてあります。 その2 Slackと連携できるということ(本書174ページ)。連携するとどうなるかというと「一度、設定を済ませておけば、以降そのプロジェクトに更新があるたびに、Slackに通知が飛ぶようになります」ということです。わたしの研究室では、今年度からSlackを使って情報共有をしています。SlackそのものはSNS的で情報が素早く流れて気軽に共有できるのは便利なのですが、SNS的ツールの性質同様、情報がフロー状態になりどんどん流れていきます。わたしの研究室の場合、それを防止するため、つまり、ストックしたい情報については、Googleドライブを使うことをゼミ内で共通理解して使っているのですが、学生さんたちが「Scrapbox」の仕組みをわかってくれて、便利さを共有してもらえるのでしたら、いつかはぜひ、「Slack+Scrapbox」の組み合わせにチャレンジしていみたいものです。