読書「マスカレード・ホテル」感想
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メディアマーカーに記載した感想をメディアマーカーがなくなってしまうためにこちらに転載。 場所は東京都内の高級ホテル。
このホテルであと10日前後に殺人事件が起こることが予想される。
そこで、事前にホテルマンとして潜入捜査を命ぜられた新田浩介。そして、ホテルの従業員であり、教育係として任命された山岸尚美。この2人が主人公。
いい感じにおもしろかったです。
連続殺人事件を追うという長編小説の中に、ホテルでのちょっとした事件がいくつかちりばめられていて、これは短編小説のような味わい。つまり、読みながら長編小説と短編小説の同時が味わえる感覚。これって、なんだか不思議だし、書き手の力がないとうまくできないと思う。
また、やはり東野圭吾さんだと思うのが、この短編小説風に書かれているエピソードが実は物語全体の連続殺人事件を解く鍵にもなっているということ。ちゃんと伏線を伏線として引いているのがさすがと思う。
また、一番の中心である長編小説の謎解き部分。これにも手を抜かず、しっかり描き、犯人の思いもちゃんと描ききっている点、やはり、東野さんはすごいと思う。
で、(最近のわたしの好みだそれだからかもしれないけれど)主人公二人の思い、悩み、葛藤、が丁寧に描かれているので読んでいて作品の中に引き込まれてしまう感覚がある。この二人、若く、正義感あふれ、そして、真面目、一直線。いいです。
それ以上に、いい味出しているのは、能勢という所轄の刑事。
自分は目立たなくてかまわず、一生懸命の将来性のある新田へのサポートに全力を傾けるキャラクター。
今の自分には、この能勢という刑事のキャラクターがとてもまぶしく見える。
わたしも、こうなりたいと思っているのかな。
これ、シリーズ化されてるのかな?
だとしたら、この次も楽しみだ。