福島県石川町10月の授業研究会その1
https://gyazo.com/69557369188042d6f84ccd66aaa6e244
まず、第1日目のこと。
まず、校長室を訪れると校長先生が語ってくださいました。
「教師が子どもたちのいく先々を早回りして、子どもたちの学び合いを促すのではなく、子どもたちが学び合いたくなるような、授業づくり、課題づくりをしたいと思っていた。やっとそういう状態になりつつある」
いやぁ、すごいです。わたしもすぐに同調しました。
「『学び合い』といいながらも、「学び合わせよう」とする先生、「関わらせよう」とする先生がいますよね。そうじゃないんですよね。目標をしっかり見据え、そこにたどり着く方法として、本を参考にしたり、インターネットを参考にしたりすることもできるけれど、最も効果的で効率的なのは身近な友達という資源(リソース)を使うとよりよいと思って実際に行動に移すことができる環境を整えたり、雰囲気をつくったりすることが大切なんですよね」
最初から、心が踊ります。
そして、授業。
今回の授業者の方は、今年度、石川町にこられた方。子どもたちを前にした話し方、対応の仕方、振る舞い方を見て、しっかりと『学び合い』の本質を理解し、受容し、体現しようとしてくださっていることがわかりました。
教師が伝えるべきところは、伝え、その後は、子どもたちの目標に向かった学習活動を妨げないように振舞います。一番の肝は子どもたちに「裁量権」があるかどうか。子どもたちに思考活動、試行活動を担保するための裁量の時間をしっかりと確保していました。 語り口調も、子ども目線にたった進め方です。授業公開などがあると、指導案を参観者に提示している都合上、計画した授業の通りに進めたいとコントロール欲求がいつも以上に表出してしまいがちです。しかし、第一に子どもたちの「学びの姿」を大切に授業を進めていました。
課題も、なるほどです。
単元の終末、発展、応用だったということもあるでしょうが、今までの学習した技術や考え方を駆使して進めるような見ているだけでワクワクするような課題設定でした。さすがでした。
また、水落研究室が関わって研究を進めているedutabを『学び合い』授業の中で、当たり前に使っているのが、事後研究会の中で特に話題になりませんでしたが、印象的でした。この「話題になりませんんでしたが」というのが大きなポイントです。授業の中で、「鉛筆を使っていた」「消しゴムを使っていた」「黒板を使っていた」ということは普通、話題になりませんよね。つまり、そのレベルなのです。このedutabを使っていたことに対しての評価は当たり前の一つとして、普通に受け止められている現実があります。これって、今でも大上段に「ICTを活用しています!」を高らかに全面に出して研究しているところと違い、素晴らしいことと思います。 https://gyazo.com/cf7aa10a17d0c3a42e51972b1e230008
この時間の中で、わたしが最も緊張するのはわたし自身の「講話」の時間です。石川町内の小中学校の先生が集まってきます。石川町内の先生方は(もちろん、年ごとの出入りはありますが)基本、みなさん、日々『学び合い』を授業の中で展開している方々です。その方々の前で、すでに、何度も話をしている私がまた話をする…という構図です。
そんな中で、『学び合い』をテーマにした話を展開しなければなりません。
『学び合い』授業の最前線を見て、その話し合いの様子を触れることで、わたしが最も学びになることはあっても、わたしの話を聞くことで、石川町の先生方に学びはあるのか?とても、緊張します。そして、悩みます。
そこで今回は自分が現役時代に行ったことがある、上條晴夫先生がよく提案していらっしゃった質問の授業の形を模して話を展開することにしました。 集まった先生方に、小集団(つまり班)になってもらいます。
そこで、日々展開している『学び合い』授業の疑問、悩み、自慢話をしてもらいます。
その中で、最もみなさんの場に投げかけてみたい話題の一つを決めてもらいます。
代表者がその話題の一つをみなさんの場に投げかけます。
わたしは、過去の『学び合い』実践研究の知見の中で、解決例があれば、それを示し、(石川町なので他所で行うよりも出る割合が多いと思いますが)わたしにとって初めての話題の場合、その場にいらっしゃるみなさんとともに解決に結びつく考えを話し合います。
という算段です。
思っていた以上の、(わたしにとっては特に)盛り上がりでした。さすが「上條晴夫先生」と思いました。当たり前ですけれど、話し手が話したいことを用意して話すよりも、聴き手が聞きたいことを話題にした方が、場は一体感を増し、盛り上がります。もちろん、場に出た質問をどのように取り上げ、どのように切り返すかなど、話し手にそのやりとりをする覚悟があるかということがポイントになると思いますが。 (わたしにとって)学びいっぱいの石川町第1日目でした。