漫画「岳」感想
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基本、インドアな人間のわたしですが、妻の大きな影響を受けて、自分からは絶対に始めないであろうキャンプを始めて何年か。また、登山とは大きな声では言えないですが、自分の中学校区にある福島県の名山安達太良山は大好きで、最近はご無沙汰ですが、登るぞ!と決めたときには何度か登っています。 だから、興味関心としてはアウトドアも一つあるのです。 以前から気になっていた、この漫画を手に取り読み始めました。
主人公の三歩の存在がぬきんでていて、かつ、周りのキャラクターもいい感じですね。
三歩は、自分自身ある程度「山」を極めた人であり(まだまだ本人は極めたと思っていないと感じているのではないかと思いますが)、登山にまつわる人の生き死にを何度も間近で体験してきています。
登山において、無茶な振る舞いをしてその結果「死」に至ったとして、周囲の人間がその「死」への原因をつくった振る舞いに対して怒っていたとしても、三歩だけは淡々と「がんばったね」とか穏やかな表情でその死んだ人へ眼差しをおくります。そう思うだけの経験をたくさん積んでこその三歩の振る舞いなのだと言うことは、この漫画を読んでいけばすっと入ってきます。
しかし……しかしですよ。
ここで賛否両論に別れそうですが、わたしはこの漫画の終わり方は納得できません。ずっとずっと、人一倍「生きること」「生き延びること」を大切に思ってきた三歩が、色々な事情があるにしても(というか、著者がそういう状況を設定したわけですからね)そのような終わり方をするのはどうなのでしょうか。
もちろん、わたしと異なる意見、感覚がある方も多数いらっしゃると思います。賛否両論に別れることでしょう。
わたしとしては、18巻も続いてきた最後がそういう形なのか、そういうメッセージなのかと思うと、うーん。となってしまうのでした。一話一話のエピソードは素晴らしくストーリーとしては文句がありません。最後だけは……?ということで、星を4つにしました。