映画「もらとりあむタマ子」
http://www.bitters.co.jp/tamako/image/flr.jpg
公式サイト
わたし好みの映画に違いないという、直感もあったし(笑)。
ストーリーにはなんの盛り上がりもなく、
ちょっとした日常の山はいくつかあるけれど。
淡々と過ぎていく。
特徴としては、大学を卒業したタマ子(前田敦子さん)が、町のちっちゃなスポーツ店を営む一人暮らしの父のところ(つまり実家だね)に帰ってきて、就職も何もせず、1日中漫画を読みふける感じで日々を過ごすだけ〜という映画。 こういう若者がいるだろうし、もともと、勤労意欲に欠けるわたしは、このタマ子の気持ちもわからなくはない。というかよくわかる(笑)。男性と女性とで感覚が異なるかもしれないけれど。
でも、今の年齢となっては、タマ子側というよりは、父の側に立って見る時間が長かった。
そういうもんなんだね。
で、わたしと同じ、父の側になって見る人であっても、やはり、気持ちとしては色々なのだろうけれど、このようにタマ子が何もしない様子を見てイライラするとかね。
わたし、最初はちょっとイライラした様子を見せた父がその後、特に何も言わなくなったのはわかるような気がするなぁ。というか、このお父さんに勝手に親近感を覚えてしまっているのでもしかしたら違うのかもしれないけれど、娘は可愛いし、働くて、彼氏もいなくて、将来どうなるのだろうという心配がないことはないけれど、自分が最もかいわいいと思っている人間がずっと(たとえ働かなくても)身近にいてくれるのはそれはそれで嬉しいし、楽しいんだよなぁ、ということ。たとえ、何をしなかったとしても。
といいながらも、お互い、このままずっとこの生活を続けていていいのかという気持ちは心の片隅にあるわけで…。その気持ちもわかる。
とはいいながら、数年後、例えばタマ子が家を出て独立したり、父が再婚したりしたときの数年後に思うんじゃないかなぁ。
あの時、とっても幸せだったって。
こういう時があって、全然構わないと思うんだけどね。
互いが、互いに頼っている感じか。
父がタマ子の下着を含めて洗い物を干している様子が最初にあり、
タマ子が父の下着を含めて洗い物を干している様子が最後に出てくる。
なんか、心の変化を象徴しているのだろう。
それが何なのかを明らかに言葉や行動で見せないでこの映画は終わる。
映像で語り、見ている人間にその内容を想像させる。
映画っぽいつくりである。
いいなぁ。