映画「いぬやしき」感想
https://youtu.be/d5p-tktUUG0
邦画、そして、SFXを駆使した映画としては、わたしの中では久々に大ヒットです。
漫画が原作と言うことで、思わず(知らなかった私は)翌日、漫画喫茶に行ってしまったほどです。
もちろん、SFXの技術は米国のそれと比べると見劣りするのでしょうが、映画を見ていく中でのストーリーに邪魔にならない程度の粗さ、稚拙さであるのなら、技術が最先端ではなくても構わないのだということは身をもって感じました。
わたしが、自分の講座の中でも時々話す、ウォークマンとiPodの話ですね。結局は、最先端の技術よりも、ユーザビリティといいますか消費者にとって心地よいもの、消費者が(心の内に)求めているものを提供できるかと言うことが大切なのでしょう。
もっとも、消費者も多様ですから、わたしのような感覚を持った人間ばかりとは言えませんので、映画の評価も様々になるのでしょうが、少なくともわたしには「なるほど!」な映画、感情移入ができる映画でした。
やはり、「奇抜」であっても、ちゃんと人物の心理描写、情景描写ができているか、たった2時間の中に、主要登場人物の背景や心情をしっかり描けるかということが大切なんだなぁと思いました。
以下、ネタバレ
佐藤健が演じる、獅子神というのは、サイコパスというくくりでよいのかな。ある人物にとってはとっても優しく、愛情ある人物なのだけれど、他に関しては興味関心というか、相手の立場にとって考えることができないわけですよね。つまりは、自分と関係のない人間が死んだからといってそれが、何か自分に関係あるのか?という話。
うーん。
獅子神と犬屋敷は、奇しくも、体が同じ装備を身に付けてしまったわけ(昔の言葉で言えば、サイボーグとなるのかな)になるけれど、結局は、「包丁」を人を傷つける道具に使うか、料理等をつくって人を喜ばせる道具に使うかの違いの通り、最後は「道具(ツール)」を使う人の「心」に依って立つわけだけれど、周りから優しくされてこなかった犬屋敷がそれでもずっとずっと周りの人物に対して「人の役に立とう」とするのに対して、逆の立場に立つ獅子神。
生まれながらのものなのか、後天的なものなのか、いろいろ考えますね。