教育実習の研究授業を参観し,感激して帰ってきた話
https://gyazo.com/791c4d0ae558bec0b2cce43b0c186127
現在(2022/05/24),学生たちは中学校の教育実習中(あと1週間ということで架橋に入っている感じですね)。 実習中のゼミ生(学部4年生)から連絡があり,教育実習生の研究授業(英語)の参観に行ってきました。 いやぁ,素晴らしかった。
圧倒されました。
感激したと言うか,感動すら覚えましたね。
これ,結論からいえば,様々なことが重なって総合的に素晴らしかったのだと言えます。
つまりは,子供たち一人ひとりがたいへん授業に意欲的で,教育実習生の話もしっかり聴くときは聴き,活動するときは活動する……という切り替えができてました。子供たちにとってはこれが当たり前なのでしょうね。
それって,今までこの子供たちに接してきたその学校の先生たち,そして,保護者,地域の方々……とつながることでしょう。
この実習生の相談に乗ってくださり,共に授業案を考えてくださった指導の先生
そして,それらの関係や関わりを一切壊すことなく,この授業にうまく反映させつつ,自分自身の教師としての思いや力を存分に発揮した教育実習生。
これらがうまく絡み合ってのすばらしさと思います。
もうね,どこからとっても素晴らしかった。
子供たちとリズムとテンポよく進む単語や構文の声に出してのふりかえり
PCを使ってのフラッシュ型教材で,漫画のワンシーンを切り取って表示したり,
本日の授業の中心の構文につながるものを所々にさり気なく入れ込んだり
しての展開。
単元計画がまたすばらしい。
教科書には国立公園のガイドとしてやりとりするようなシーンがところどころ描かれているのですが,
単元全体をグループでガイドとしてプレゼンテーションできることとして毎時間蓄積していくようにしていて
最終時間に国立公園のガイドとしてプレゼンテーションの様子を学級全体で発表するようにしている
のです。英語の授業ですから,教師としての導きたいことは「英語の力を身に付ける」ことなのでしょうけれど,
授業の構成としては,「英語を使うことが手段」になっている感じなんですね。
つまりは,子供たちは国立公園のガイドをするには英語を使う必要がある……という感じになっているのです。
もちろん,その大きな枠組みとしては英語の授業の中でというフレームはあるのでしょうが。
教室の中で,その「ファンタジーの協同(協働)」がうまく効いていました。
この時間だけでなく,単元を通しての学びになっているということですよね。圧巻です。
協同(協働)の仕組みがこれまたすばらしい
ペア学習,そして,グループ学習を50分の中でこれでもか!という感じでテンポよく入れ込んでいくのですが,
この組み合わせの数がすごい。横,縦,誕生日ペア……といろいろと呼びかけていくのですが,子供たちは当たり前のように,様々なペアやグループで活動していきます。
グループ活動も,3つのグループで活動をすすめるのですが,決して「空白の時間」をつくりません。子供たちは,今,何をしている時間なのか,しっかりわかるように前面に提示されています。
「書くこと」よりも「話すこと」を
即興性を大切にして授業を進めていました
たとえ,少しくらい間違えたとしても,自分の言葉で表現できたことをよしとする
それがあたりまえになっているので,周りからも間違いであるとかで揶揄されない
後半はグループ活動の時間を長く確保していたのですけど,とてもファシリタティブに進めていました。
本日子供たちが活動する内容がすぐにイメージできるように,指導の先生の協力のもと,前日に動画で撮影したものを子供たちに提示します。
つまり,モデルを示しているわけです
動画は,今どきの1人1台デバイス時代でしたら簡単に撮影できますよね。
少しくらい音質が悪くでもいいのです,サッと撮影してこれだったら子供たちがイメージできるのではないかというものを撮影しておくことが大切
活動時間をどのように過ごすのかを確認して,進めていました。
子供たち,安心ですね。
当たり前にICTデバイスを使っています
この学校で使っていたデバイスはiPad
各自,途中まで作られたプレゼンファイルが各自のiPadに送られて,その国立公園での「過ごし方ルール」と「この国立公園のおすすめポイント」を考える手順になっています。
ファイルには「過ごし方ルール」まで描かれている形になっていて,その後の「おすすめ」部分に関しては各グループ,子供たちが作成するようになっているのでしょう。
これらの流れもスムーズ。
面白いのが,Pagesを使ってこれをやっていたのです。
プレゼン作りならKeynoteだろうと思って指導教員に尋ねてみたら,その時々で使い分けているとのこと
へえっ,おもしろい。
自己評価シートも秀逸でした
盛りだくさんの活動であった授業でも,しっかり自己評価シートに書き込む時間を確保していました
この自己評価シートはファイル形式になっていて,毎時間,各生徒のポートフォリオになるように工夫されています。
うーん参りました。
多くの生徒が本時の目標を楽しみながら,自分の自覚のもとにクリアしていたのではないかと思います。
何より良かったのは,教育実習生の「声」です。
穏やかで,落ち着きがあって,その中で前向きにさせてくれるような張りがあっていい感じでした。
最初に戻りますが,学生の力もあるのでしょうが,様々に関わってくださった方と今日,このときがうまく重なったのだと思います。
現場も,中学校も,どんどん授業を変えていこう,という姿勢になっていることを感じました。
教育実習の授業の中で,教育実習生とともにこのような授業づくりをしていく流れになっているのですものね。
感謝しかありません。