授業づくりネットワークNo.44―教室の中の多様性とファシリテーション
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一言
以前から「ファシリテーション」をテーマに特集を組んできた本誌ですが,久しぶりの「ファシリテーション」特集です。 わたしたちだけが推しているのではなく,文科省でもファシリテーション能力が必要だと明言したわけです。
ぜひ,みなさまもあらためてファシリテーションを学び,考え,実践し,研究していきましょう。
いつもながら,本誌は「理論」と「実践」をバランス良く取り上げていると自負しております。どちらの面からも学べますし,たくさんの執筆者の文章から自分のなかに落とし込んでいくことができます。
さすが巻頭言だけあって,「学校」と「ファシリテーション」の関係をわかりやすくまとめてくださっています。
「主体的・対話的で深い学び」の実現のためには,ファシリテーションのスキルが欠かせないのは確実なのだけれども,「学校」特有の事情があり,すんなりファシリテーションを他のところからそのまま移行することができない理由や解決策のヒントなどを書き記しているところがさすがと思いながら読みました。 とてもとてもなっとくできますし,そこを乗り越えていく工夫の部分が今後,実践や研究を進めていく時の視点になると感じます。
「ファシリテーションの目的」に目を向けることで,「学校運営」「授業経営」「学級経営」のことを考えていけるのではないかという提案です。少々大胆な提案かもしれませんが,ファシリテーションを立体的に考えたり,レイヤー的に考えたりしていくヒントになるのではないかと考えます。 Googleで「あべたか」と検索をかけると「あべたか研究室:ファシリテーション」と出てくると思います。昨年の春に,あらためてホームページを作り直したのですが,その際にそのようにしました。残りのキャリアを「ファシリテーション」を自分の柱として考えていきたいという所信表明でもありました。 このたび,本誌特集で原稿を書くことができたこと,とてもうれしく思います。
そして,これをきっかけに多くの方と学校教育におけるファシリテーションの実践や研究の交流ができたらたいへんうれしいです。
目次
しかし、そもそもファシリテーションとは何か。
本号では、識者に今一度、ファシリテーションについて解説していただくとともに、多様な子どもたちがいる教室でファシリテーションがどのように機能しているのか、具体的な実践で見せる。学校教育におけるファシリテーションの現在地!
【巻頭言】
誌上レポート
授業の中のファシリテーション〜豊田哲雄さんの教室〜 大島崇行 パート1 ファシリテーションとは何か
「教える」より「学び合う」場を創ろう!~参加型の場をつくるファシリテーション~ 中野民夫 意見の対立、コンテクストの違いへどう対処するか? 鈴木有香 一人一人を大切にする関わりのためのファシリテーションの視点と方法 廣水乃生 座談会 学校教育実践におけるファシリテーションの現在地
パート2 ファシリテーションで授業が変わる
【国語①】ワークショップ授業とファシリテーション 佐藤可奈子 【国語②】子どもたちから学ぶ教師の役割や出番とは 片岡寛仁 【算数①】苦手な子も安心できる授業づくり 前田健太 【社会①】子どもたちが授業の主人公であり続けるための教師の役割 西田雅史 【社会②】個別最適な学びと協働的な学びを支えるファシリテーターとしての教師 佐々木潤 【理科①】自然事象との関わりを促す〜理科におけるファシリテーションについて考える〜 小島章子 【理科②】子どもたちと理科学習活動のフィット感を高める 真田伸夫 【総合的な学習の時間】課題解決型職場体験でファシリテーションを活かして、ミッションを解決する土壌をつくる 小見まいこ 【教員研修】アクティビティの力を信じる―参加型学習で参加を学ぶ教員研修 角田尚子
特別寄稿 学校教育とファシリテーションの歩み~「学校教育に関するファシリテーション書籍一覧表」をもとに~ 佐内信之