山口裕之著「人をつなぐ対話の技術」感想
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ここ数ヶ月、「対話」という名前がついた書籍を片っ端から購入して読むことを続けている。といっても、わたしは遅読で、(こういう職に就きながら)難しい言い回しがあると立ち止まってしまい、なかなか前に読み進められないので、こうして書いている割に読んでいる冊数が多いわけではない。
また、今後、自分の考えのもととして、参考にしたい考え方になると思っている書籍に関しては付箋紙をつけて、パソコンで(タブレットで)文章をそのまま転記しながら(入力しながら)読むので、余計に読み進めることが遅くなる。
ちなみに、この文章の転記だが、全てScrapboxにタグをつけて記録するようにしているので、ある本とある本が自分の中では考えていなかった形で(稀に)つながることがあり、それはとっても嬉しい瞬間である。
ということで、今回の本は、いつでも持ち歩くリュックの中に入っていたのだがもう何ヶ月も入ったままでいつになったら読み終えるのだろうと自分の中で心配していた本である。この度、なんとか読み終えた。よかった。
この本はタイトルが「対話の技術」と書かれていたので、「技術的なこと」が書かれているのだろうと(最近、考え方に加えて授業その他で実際に使える、または練習できる技も欲する気持ちがあったので)期待して読んだ。本書後半に、合意形成を目指す「対話」の技術を具体的に書いてはいるが、どちらかというと「技術」というよりも、その技術を身につける、または、背景となる、または、その技術を納得して使ってもらうための「考え方」を丁寧に説明している。
あらゆる、考えの相違の解決方法として、暴力(それは実際の暴力も言葉の暴力も含む)などではなく「対話」がよりよくて、なぜそうなのかを作者の総力を使って私達に丁寧に説明している感じだった。
具体的には、大学改革か憲法改正を含む政治のことから、ソクラテス、ロックやルソー等々の哲学的なこと心理学的なことの背景に基づいて丁寧に説明してくれている。
へえっ、から、そうだよなぁうんうん、まで対話に関して私の中で整理ができた。
わたしは、自分の頭の中で(きちんとしたことが言えるほどの知識を持ち合わせていないが)民主的な考え、民主主義ということを立ち位置として考える。本書では、民主主義という考え方も背景に下記進めてくれている部分があり大いに納得できた。
こうして、学校という狭い範囲を超えて、考えていくことは大切だと思う。