協同学習の鉄板「スリーステップインタビュー」を賛否両論あるオンライン(Zoom)にて行ってみた
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「いや、あれは協同学習の形式をとっているものの協同学習なんてあったもんじゃない。本質や意味を無視している」
いろいろと論議が活発な「オンライン」と「協同学習」の関係です。
なぜわたしが「鉄板」というかというと、わたしが協同学習を学び始めた当時(2010年前後)に、当時、日本協同教育学会長の関田一彦先生(創価大学)のワークショップに参加して学びました。複数回ワークショップに参加する中で、必ずといいほど関田先生が行っていたのがこのスリーステップインタビューだったのです。 たぶん、この技法を経験してもらうことで、その後に説明する協同学習の意味や意義を理解してもらいやすいという考えからだったと思います(と勝手にわたしは思っています)。
スリーステップインタビューを大雑把に説明すると以下です。
1 教師から課題(問い)が出されます。
2 まずは1人でその問いについての答えを考えます。
3 ペアになり(便宜上AとB、CとDとしましょう)、AはBへ、BはAへ(CとDも同様に)自分の考えを伝えます。
4 4人組になり、AはCとDへ、Bから聞いた説明を伝えます。B,C,Dも聞いた話を伝えます。
*1 あくまでも大雑把な説明です。これ、実際に行うとなると、もうちょっとしっかりした「課題設定」や「時間配分、時間設定」などが必要になります。で、本当を言うと、こういう細かいところが実際の授業で効いてくるので、うまく進められる先生や進められない先生の差がこういう部分にあるのかもしれません。
*2 また、こういうところの各個人の違いが、実は各個人の授業観の違いを反映しているのではないかとも思います。
Zoomで「場の設定」は可能ですね。上に当てはめれば、
1と2 普通に全員が写っている画面で進行します。
3 ブレイクアウトルーム(ブレイクアウトセッション)機能を使ってペアにします。
4 一度全体に戻ってきてもらい、ペアだった人たちが離れ離れにならないように配慮し、4人組にする形でブレイクアウトルーム(ブレイクアウトセッション)機能を使います。
こういう授業ができたポイントは、今回の科目が「協同的な学習実践論」という科目であることが大きいです。 いわば「協同学習で学ぶ」ではなく堂々と「協同学習を学ぶ」という形で進めることができるわけです。
つまり、事前に学習者に、
「実際の教室で行う協同学習の場合このように行いますよ〜」
のように説明します。
その後、
「では、オンライン(Zoom)で実際に体験してみましょう。ただし、教室で行う場合と違い、ずれ、違和感、制限が生じるかもしれません。それはそれ、オンラインだからこそです。もしかしたら、オンラインだからこその良さも味わえるかもしれません。では、やってみます。」
という形で進めました。
こうしておけば、
教室での実際とは違うものね
いろいろと違和感あって当たり前だろう
もしかしたら、オンラんだからこその良さも見つけられるかもしれない
などと思いながら参加してもらえると思ったのです。
実際、Zoom上のスリーステップインタビューそのものは形としてはスムーズに成立しました。もちろん、学習者は様々なことを感じたとは思いますけど。
実は、オンラインだからこそのズレや違和感、制限、以上に一番大きな問題は、ネット環境整備の問題だったり、PCスキルの問題だったりします。ここがクリアできて初めてズレ、違和感、制限などを感じるのでしょうが、このあたりの部分がごちゃまぜになっているのが現状ですかね。
たとえば、ネット上でオンラインは逃げられない設定になっている……みたいな論議も目にしたり耳にしたりしますが、それはそれ。やはり、授業者の立ち位置にあるのじゃないかなぁと思うのがわたしの「今」です。
だって、オンラインだったら、下半身パンツのままで参加したって大丈夫だし(笑)、画面に見えない部分で何していたっていいわけじゃないですか。もう、逃げられる逃げられる〜。
だからこそ、逃げられないような設定にやっきになる先生もいれば、ゆる〜く、いい感じで参加してもらえればいいんだよ。目的に到達できるようにがんばってね、という感じですすめる先生もいるでしょ。
私自身は、オンラインの上でも、学習者の方で選択できる部分をたくさん増やすようにしたいと思っています。
自己選択できることが、主体性の鍵を握っていますものね。
そこがポイントかなぁ。