刺激的だった榊原先生と参加した第68回日本社会科教育学会
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今回、発表をしないので参加するかどうか悩んだのですが、榊原先生が参加するということで、一人で行くのとは異なった感覚で参加できるかもしれないと思っての参加でした。
2年前、弘前で行われた本学会に参加した時、全国にこんなにも社会科教育に熱心に取り組んでいる先生たちがいるのだと知り、感激はしたもののその内容がわたしにとって、微妙に違和感を感じるところがありました。その違和感は、たぶん、わたしの「仕事」に対しての思い、「社会科」に対しての思いなのかなぁと思いながら、あえて明らかにすることなく、このまま過ごしてきました。 同僚の榊原先生と一緒に、学会に参加し、榊原先生を通して学会を感じることで、なんらかの「社会科」や「学会」についての発見があるかもしれないと期待してのこの日でした。
結果ですが、面白かったです。
もともと、一人で思考し、一人で行動することが好きなわたしですが、こうしてフラットに考えを共有できる友人と一緒に参加し、「ああだ、こうだ」と考えをかわすことで自分の考え方に返ってくる素敵さを改めて感じました。これは誰とでも感じるわけではなく、やはり、榊原先生というフラットに感じたことを情報交換できる相手がいたからこその「楽しさ」だったのだろうと思います。
特に、榊原先生は、年齢はわたしよりも年下ですが、学会に関する取り組みや経験は、わたしよりも豊富です。(しかも、今回のブログの後半を読んでいただければわかりますが、授業実践でもわたしなんかよりずいぶん先を進んでいることが判明してしまいました。もう、ついていくしかないっす)そんな榊原先生の言動にものすごい刺激を受けました。
まず、榊原先生は、基本的に学会に参加して、「質問」をします。質問をすることを前提に発表を聞きます。そうすることが発表者への敬意であり、自分自身の研究のヒントにもなると話してくださいました。どの発表にも純粋に対峙し、真剣に受け止め、「質問」という言葉でフィードバックという形で返します。基本的に「質問」をしない、(できない)わたしとは全然スタンスが違います。
次に、榊原先生が一緒のおかげで、「懇親会」にも参加しました。こういう時間はわたしにとっては非常に苦痛です。知らない人ばかり、もしくは、知っていても頭を少し下げる程度の関係に、「自主的に」参加することはわたしにとってはありえない選択です。だって、懇親会に参加しても、積極的に話しかけることができないわたしは「孤立」することが目に見えているのですから。知り合いと一緒に飲んでいても、会話をせずに時間が過ぎるだけのわたしです。知らない人ばかりの「懇親会」に参加するなんて無理です。ただ、わたしが一緒にいたばかりに、参加したかった懇親会に参加できなかったら、榊原先生に申し訳ないと思って、がんばって参加しました。楽しく知らない人と会話し続けられたとは言えませんが、なんとか、時間を過ごすことができました。ちらほら初対面の方とも話をすることができました。もう少し、もう少し、他人に興味関心を向ける力を養う必要があります。ただ、榊原先生は楽しそうに時間を過ごし、知人の輪を広げていたようだったので、よかったと思いました。。榊原先生の邪魔をしなかった自分を少しだけ認めました。
昔から、知り合いの佐藤正寿先生や長瀬拓也先生は、発表者として参加していました。ちょうど、お二人の発表を聞きましたが、「聴き手を意識したプレゼンテーション」「データを重視した成果発表」「新規性、提案性のある内容」「汎用性のある提案」とさすがでした。もともと民間教育で培ってきた力に、学術的な知見、技術を身につけたという感じでしょうか。 わたしは…。ちょっと迷走しています。軸足とでもいいましょうか。自分のやりたいことは何なのかとでもいいましょうか。わたしの最も興味関心は「学校現場」「学級現場」です。その方々に役立つことの情報提供、技術提供、提案です。今回で言えば、そこと「学会」をどのように関連づけるかかなぁと思います。
「質問」に関してです。
人前で発言するということに対して、恐怖心などは抱くわけではありません。でも、わたしは「質問」というか発言を「学会」はおろか「会議」でしません。それは、「発言をしてよかった」という経験が皆無だからです。過去に、もちろん何度か発言をしたことがあります。でも、どれもそれも、一度たりとも(というのはオーバーかもしれませんが)みんなの前で「発言をしてよかった」という経験の積み重ねがないのです。逆に、「発言(質問)をしなければよかった」「なんであんな発言(質問)をしてしまったのだろう」という経験ならたくさんあります。
だから、わたしは「発言」はしません。
でも、隣で生き生きと質問をし続ける榊原先生を見ていると、楽しそうで、(実際に、「学会は楽しい楽しいを連発していた彼です」)うらやましく思いました。
「質問」に対して、わたしの中の価値観、パラダイムを変えなければならないかもしれません。
実は、最もわたしにとって頭が揺さぶられた時間は、旅の終わりの近く、帰りの新幹線(金沢〜上越妙高)に待っていました。自然に今回の学会の振り返りになるわけですが、そこから、(わたしにしては珍しく)真剣な「学究モード」になり、いろいろと榊原先生のやられていること、やろうとしていることを深く聴き出しました。そしたら、本当に、この方はすごいんです。びっくりしました。わたしには想像もつかない「授業実践研究」をしっかりエビデンス付きでされていました。しかも、それらの元実践は2008年頃には行なっていたというから、何重ものびっくりが重なり、とうとうわたしは榊原先生のしもべになることに決めました。
話をしていて、やはり、わたしは授業実践の改善改良を行い、それらが先生方に役立つことに最も興味があるようです。それを、たんなる主観や思いつき、自己満足で終わりにせず、新規性、再現性、汎用性があることを確かめつつ、しっかりと効果があることをエビデンス付きで残していくこと…。このあたりを追求していきたいです。最後、とてもとても深いリフレクションに付き合っていただいた榊原先生に感謝です。
とにかく、榊原先生との二人旅は、(わたしにとって)とても刺激的でした。(榊原先生にとってはどうだったかわかりませんが)
来年度は、新潟県の新潟大学で本学会があるそうです。めちゃくちゃ近くです(苦笑)。榊原先生は、発表する気持ち、満々です。わたしは…、まだ、わかりません(笑)。もうちょっとさまようことにします。木の周りを回りすぎてチーズにならないようにだけ、気をつけますわ。