上越教育大学教職大学院(教科教育・学級経営実践コース)フォローアップセミナーでの阿部ゼミ修了生の話題提供発表に心打たれる
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話題提供者が3人いて、その一人がわたしたち(阿部ゼミ)出身のKさんでした。
そのときは、Zoomの使い方の確認だけだったので、発表内容は知りませんでした。 当日まで(本日まで)のお楽しみとして内容を聞かずに、見ずに残しておいたのですが……とてもとてもよい発表でした。
これ、わたしがKさんと関わりが深いからというだけでなく、客観的に現職院生にも学卒院生にも参考になったと思うのです。 その後、彼は教員2年目ですが、昨年度(教員1年目)と今年度(2年目の1学期)の様子を上の2つの具体例と子どもたちの学びの様子を軸に話していきます。ところどころ笑い(ユーモア)を入れながら、話していくさまは、ちょっとしたベテランな感じにも見えました。
声の張りがあって、速さも落ち着いていてとても聞きやすいのです。
院生には「素敵な先輩」と映ったことでしょう。
実際、15分発表後の15分の質疑応答時間では、うれしいことにうちのゼミ(阿部ゼミ)院生が数多く質問を続け、フォローアップセミナーという時間を用いて「阿部ゼミ」をしている感覚になりました(って、言い過ぎか?メタ認知能力が欠けているのですよわたし)。こうして、先輩の発表にくいついてくる後輩たちにも頼もしさを感じました。
修了してからほとんど連絡を取り合っていないし彼の日常生活での、仕事生活でのもがきや苦しみはどんなものかわかりません。しかし、わたしの目から見るに、「教職大学院」での学びをそっくりそのまま自分の学校で、学級で実現しているように、発表(プレゼンテーション)では見ることができて、本当に「教職大学院」での学びは彼にとっては血となり肉となり、体現化できる学びだったのだとうれしく思いました。 これを見た学卒院生は、自分も教職大学院にいる間に、しっかりとした具体的な「考え方」や「進め方」を身につけたいと思っただろうし、PAという一見すると世の中にたくさんある指導方法の一つに見られそうなものが、Kさんにとっては自分の教育観、授業観の「柱」になっていることがわかります。つまりは、教職大学院で彼がPAに出会えたことがとても素敵な教師人生のスタートに役立ったということになるわけですね。 今、教職大学院で学ぶ学生も、自分の「観」を支えてくれる「何か」が見つかるといいなと思います。そして、それを教職大学院にいるときにいくつかの場面で「試して」経験値をあげて心臓を強くしておくとよいです。
現職院生には、こうして教職大学院で学んだことを果敢に現場で実践に持ち込んでいく「若者(若手教員)」の勇気、しなやかさと彼がどうして1年目からそのようなものにチャレンジできたのかということを発表内容から、そして、発表の15分では発見できないかもしれませんが、Kさんの人となりを観察、分析してもらえたら嬉しいですね。
まぁ、ここまで褒めちぎってきましたが、Kさんが、今現在、初任者からよりよい教員人生をスタートできたのは、彼の資質や素質、学びの背景以上に、「初任者」として迎え入れてくれた「勤務校(学校)」の環境が実際のところ一番大きいです。 最初の赴任地が殺伐としたところであれば、または、彼の意思を意欲を減退させるような環境であれば、今回発表したような実践は行うことができなかったでしょう。
そういう意味では、……(こういう書き方が適切かどうか不安なところがありますが)「運」でもあるんですよね。彼は「運が良かった」と。
私自身、小学校教員27年間過ごしてきましたが、たぶん、自分は(小学校)教員として向いているのだろうかとずっと疑問を持ちながらも、それなりに穏やかに教員人生を過ごしてくることができた理由は、初任の3年間、幸せな時間を過ごすことができたことが大きいです。初速、初動、がよかったので続けられたのでしょう。
Kさんに戻ると、今後、環境が変わった時に、「今まで何を学んできたのだろう」「今まで何を体験してきたのだろう」という状況にぶちあたるときがあるかもしれません。今の環境を大切に、今の環境をもとにたくさん実験的なことをしつつ子どもたちとたくさん楽しんで、同時に、学びも忘れずに続けることで、今後、新しい環境にぶち当たっても柔軟な対応ができることと思います。
彼の発表の最後の言葉、「今回は発表の時間をいただきありがとうございました」がとてもとても印象的でした。
こちらこそ、「発表してくれてどうもありがとうございました。感謝します。」