Audible版-宮部みゆき著「ソロモンの偽証」感想
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やっと聞き終えました。というか,とうとう聞き終えてしまいました。
6本で完結ですが,どれも11時間超え,中には14時間超えのものも。
宮部みゆきさんの特徴として,登場人物の背景や心情を丁寧に描いていくことで,読者は(わたしは)登場人物の都合や事情に心を重ねていきます。
Audibleのあらすじ・解説では以下のように説明します。
クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か、自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行"を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった――。ひとつの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、真実を求める生徒たちを描いた、現代ミステリーの最高峰。
前半は,事件にまつわる登場人物の人となり,そして,背景を説明するわけですが,どの人物も自己中心的で,自分勝手で,いや〜な感じに描かれます。でも,それって,人間であれば皆そんな感じなわけで。
最初は,後々話の中心として描かれる中学生たちよりも,その周辺の大人の事情を説明していくわけですが,その大人のまぁ,勝手なこと,都合のよいこと。
この本の本筋は,上のあらすじの通りなのですけど,その都度に登場人物に焦点を当てた事件,出来事があります。その出来事,事件が,また本筋の事件とつながっている構造になっているわけで……。事件と事件の入れ子構造になっている感じ。もう,頭の中がどのようになっているのかわかりません。どのようにすればこんな構想を立てることができるのでしょうか。わけわかりません。
最終的にはその大人の都合で,事情で,流れていく自分たちの生活をどうにかしようと,中学生たちが立ち上がっていく様。主体的に取り組んでいく様に収束されていきます。各中学生として登場する人物が自分ごととして考えていく様が,これまたすごい。
現実にはここまでは無理だろうと指摘するのはもっともと思いますが,この物語(ストーリーと構成)は本当にすばらしい。