Audible版-内館牧子著「すぐ死ぬんだから」感想
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50歳を過ぎてから,父が亡くなってから,今まで以上に「死ぬこと」「年老いて死ぬこと」に興味ある。
同時に,残り人生を行きていくことも。
息子夫婦に仕事関連をほぼすべて譲り,あとはパートナー(夫)と共に,ゆったりと生きていこうと思っていた矢先……。
いろいろなことが起こると同時に,自分の年齢のこと,老いのこと,周囲から見た老いと自分が考える老いの違い,そこからの人生観などもひっくるめて考えさせる作品になっている。
こんなスペシャルな人生を過ごすのかい!という感じでもあるが,それは小説という物語にドラマを設けなければならない都合上,仕方ないことなのかもしれない。
主人公が,もともとあった自分の生き方に加え,息子夫婦等々との関係から新たな考えを加味していくところ,好感が持てた。
しかし,わたしはここに興味があるのではない。
もう少し,先のことだ。
例えば,
文字通り自分の思い通りに体を動かせなくなってしまった状態になった時。
今まで当たり前にできていたことができなくなってしまった時。
周囲に誰も気軽に話ができる人がいなくなってしまった時。
さて……どうするのだろう……自分は。
ここの未知なる体験は,結局は自分が体験して初めて感じるものなのだろうか……。
人生は最後までドラマチックなのだな。