Audible感想@呉勝浩著「爆弾」
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再生時間: 12 時間 51 分
Audibleに書いてあるあらすじは以下の通り
東京、炎上。正義は、守れるのか。
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。
感想
おもしろい。
作品が異なるわけだから、登場人物、事件、場面、設定等々がことなるのだけど、(他作品はわからないが)こと3本を読む限り、呉勝浩さんの作品には特徴がある。 「善とは何か、悪とは何か」というところにこだわり書き続けているところ
善悪を起点に、「人間の欲」というか「人間の性」という部分に迫る勢いで書いているところ
上のようなところを「高尚」ではなく「下世話」な部分から、人間のどうしようもないところから探っていこうとしているところ
とてもとても理屈っぽい、屁理屈っぽいストーリーになるところ
わたしは、自分自身が演劇を行っていたからか、登場人物の一言一言のセリフ(言葉)を気にして小説を読んでいくことが多い。この作品は、東京の至るところで爆弾が爆発する(かもしれない)というところで、とてもアクション的な作品に見えるところもあるが、一方で、取調室での言葉のやり取りにとても重きを置かれている。
そして、このやりとりがドンドンとキレイに取り繕って生きようとしている人間の内実をえぐるように迫ってくる。
今回もだよな〜。人間ってそういうところがあるよな〜。でもな〜それも含めて人間なんだもんな〜。
などといちいち納得しつつ、同しようもない自分をも肯定しながら話を聴いていた。