Audible感想「我らが少女A」
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再生時間: 19 時間 14 分
完全版 オーディオブック
感想記録
ただ,「失礼」と書いたのは,勝手な想像としては同じ書き手が「以前の作品と似た香りがする」と書かれるのはいやじゃないかとわたしが思っているからこそで,もし著者が匂わせる感じで書いてわたしがそう思ったのであれば著者の成功だし,そう思って書かなくてもそのように思ってもらえるのは構わないと思っているのであれば,それもまた悪い意味ではない。
「殺人事件」といえば,明らかに事件だし,小説になる題材だけれども,実際に登場する人物は確かに癖のある人物ではあるが,わたしたちの日常にいるような人物。それらの人物の特徴を詳細に描き出し,それぞれにつながっているようでつながっていない,つながっていないようでつながっている登場人物の日常生活を書き続ける先にストーリーが浮かび上がってくるというところがなんとも読んでて(いえ,聴いててですけど)気持ちが良い。
あらすじ・解説
一人の少女がいた――
合田、痛恨の未解決事件
12年前、クリスマスの早朝。
東京郊外の野川公園で写生中の元中学美術教師が殺害された。
犯人はいまだ逮捕されず、当時の捜査責任者合田の胸に、後悔と未練がくすぶり続ける。
「俺は一体どこで、何を見落としたのか」
そこへ、思いも寄らない新証言が――
動き出す時間が世界の姿を変えていく人々の記憶の片々が織りなす物語の結晶