映画感想「モガディシュ脱出までの14日間」
映画は素晴らしい。
もちろんピンキリだけど。
そして、わたしはピンもキリも楽しんでいる人間だけど。
時々、娯楽映画のカテゴリに混ざって、極上の政治映画が存在する。
例えば、「ホテル・ルワンダ」がそう。例えば、「インビクタス/負けざる者たち」がそう。
本映画が実話を元にした創作映画だということに驚かされる。
ソマリアでクーデターがあった年、韓国と北朝鮮は同じように国連加入をめざして、政府に向けてロビー活動をしていた。
当たり前に双方で牽制をし合いながらである。
いつか始まると言われながら、突然、クーデターが始まり、韓国、北朝鮮の大使館、双方がにっちもさっちもいかなくなる。
まず、諸事情で、北朝鮮が自らの大使館にいられなくなり、住んでいた全員が北朝鮮大使館を出る。選択肢がどんどんなくなっていく中、韓国大使館に助けを求めるが…
という話。
話の展開がすごいが(実話は創作よりもすごい!の典型)、それに加えて、映像スケールがものすごい。韓国映画の凄さを感じた。
これぞ、映画!ファンタスティックとしかいいようがない。
しかし、今この時も戦争、紛争がやまないわけだけど、どうして人間が人間の命を意図的に奪えるのかわからない。そして、いくら国と国との合意(それが戦争)だからといって人の命を奪うことにゴーサインを出せるのかわからない。
こんなこというと、平和ボケとか、あっちが人の命を奪ってきたのだから仕方ないだろうとが言われるのだろうけど。
やっぱり、平和な時代に生きてる日本ボケなのかな、自分は。
でも、人の命よりも重いものがあるとかないとかそんな議論があるのだろうが、わたしは人の命が一番大切というところからどうしても変わることが、変えることができない。
まぁ、国の関係のどうしようもない関係は(その最たる関係はこの映画で描かれた韓国と北朝鮮の関係なのだろうと思うが)、この映画で、しっかり描かれていた。
これはたぶん韓国映画。でも、北朝鮮を非難するのではなくて、北朝鮮に生きる人々をちゃんと理解しようとしているところが、素晴らしい映画と思った。
こういう映画を作られてしまうと、日本の映画、もっとがんばれ!と言いたくなる。