宇宙はロマン。
どうも,始めまして。
トップバッターを務めさせて頂きます,まこっちゃんです。
本記事ではロマン溢れる宇宙について語っていきたいと思います。
読者層としては,最近面白いことがないなと思ってる人や将来の夢が浮かばない人から宇宙に興味はあるものの何が出来るのか分からずにいる人までを想定しています。
筆者は,もうあと10年もすれば,宇宙に普通に民間人も行くようになって観光地化していくんじゃないかと勝手に想像しています。そんな時代に生まれた読者の皆さんにも,宇宙で何かデカいことをしてやるぜ,と思って頂ければ幸いです。
以下より記事が始まります。これまでの歴史、これからの展望、筆者からのメッセージの三本立てでお送り致します。
では,長文ですが,最後までお楽しみ下さい。
人類の宇宙との歩み
まずはこれまでの人類と宇宙の関係を振り返っておきましょう。
人類は天を仰いだ
太古より人類は天を仰ぎ,星を眺め,その動きや位置から方角や暦を得てきました。また,星座と神話を描いたり,占術に用いたり,鑑賞して詩を詠んだりと文化面にも大きく根付いてきました。時は進み,1608年にリッペルスハイが望遠鏡を発明して以来,ガリレオ・ガリレイを始め,多くの天文学者たちが肉眼以外で天体観測を行うようになっていきます。そして,1931年にジャンスキーが銀河電波を発見したのに端を発し,次第に「大気の窓」で減衰する周波数にも広がって行き,X線,γ線,赤外線と,可視光以外の様々な電磁波を用いて宇宙空間を観測するに至ります。また,現代では電磁波以外の信号による観測も試みられており,有名なところでいくとニュートリノや重力波によるものがありますが,この辺りは耳にしたことがあるのではないでしょうか。他にも今年のビッグニュースとして,世界中の天文台が協力し,離れた場所の8つの電波望遠鏡を協調することで4/10に人類史上初ブラックホールの観測に成功したことや,ノーベル物理学賞の3枠全てが天文学に関するもので占められ,宇宙の起源に関する観測とその技術確立に貢献したプリンストン大学のジェームズ・ピーブルズ教授と太陽系外に地球とよく似た環境の惑星を見つけたジュネーブ大学のミシェル・マイヨール教授,ディディエ・ケロー教授の3名が受賞したことは記憶に新しいかと思います。
人類は大地から足を離した
一方で,地球上からの観測に留まらず,宇宙空間に実際にモノやヒトを送り込む試みもこの100年足らずで歴史を紡いできました。1920年代後半からドイツ国を中心に世界各国が軍事利用を念頭に宇宙空間進出を開始しました。第二次世界大戦でドイツが敗れて,ソビエト連邦とアメリカに主導権が移ってからも宇宙空間利用の競争は激しさを増し,人類は初の人工衛星スプートニクの打ち上げ(1957年),ユーリイ・ガガーリンによる初の有人宇宙飛行(1961年),アポロ11号の初の月面着陸及び地球への帰還(1969年)と数々の偉業を達成してきました。そして,次第に技術が民間解放され始め,気象予報,測位システム,通信など多くの産業に活用されてきました。また,1998年には各国の協力の下,国際宇宙ステーションの建設が開始し,2011年に完成しました。今では,中国やインドなども台頭し,各国各社がそれぞれの思惑を胸に,月や火星への基地建設,小惑星の探査と資源回収など多種多様なミッションに挑戦しています。
宇宙にこれから何を見るか
以上が人類と宇宙の関わりの歴史の概要でした。では,これからはどうなるのでしょうか。それは即ち人類が宇宙空間に何を求めるかという問いに他なりません。人が何かに挑戦するときにその理由は得てして単純ではないものですが,今回も例外ではありません。しかし,それでも敢えて単純化するならば次の3つに分類出来るでしょう。「地球への情報の還元」,「領地拡大」そして「未知への好奇心」の3つです。
今はまだ地球が主体
まず,地球への情報の還元ですが,主に2通りのアプローチがあります。1つ目は人工衛星等で地球を観測し,その観測データを地球上のある特定の目的に利用するもので,近年ビッグデータとして話題になっているものの1つでもあります。衛星データを入手するのは比較的容易なことが多いので,データの活用先さえ思い付けば一攫千金を狙える熱い分野だと考えています。2つ目は天体や宇宙空間を観測することで物理法則や自然現象への理解を深め,工学応用をし,新たな産業や製品を生み出すものです。相対性理論の検証は目下の目標で,叶えばタイムマシンが作られるかも知れません。
いざ大航海時代
次に,領地拡大ですが,これは明快な話で,有史以来,人類は冒険と開拓と征服を繰り返して文明を築いてきました。今,土地も資源も住み良い環境も枯渇することが現実味を帯び始めており,では次の開拓先は宇宙にしようか,という話になる訳です。実際,アメリカは火星に,中国は月に拠点を構える姿勢を見せていますし,小惑星帯からの資源回収を目論んでいます。宇宙空間が本格的な居住空間になるにはまだ時間が掛かるという見立てが主流ですが,領地の権利争いというものは一旦流れが出来てしまえば後から参加することは非常に難しいためしっかり乗り遅れずにいることが肝要です。
そこにロマンがあるから
最後は未知への好奇心です。これは,最も本質的にして最も根元的な動機だと筆者は考えています。他の惑星がどうなっているのか,太陽系の外はどうなっているのか,地球や宇宙はどうやって生まれたのか,地球外生命体は存在するのか,など挙げたら切りがありませんが,こういった疑問を解決したいという欲求は尽きることは無く,今後も続いていくはずです。特に,直近では国際宇宙ステーションの解放や月,火星基地の建設に伴って,宇宙空間への民間人の旅行が始まり,宇宙に行ってみたいという欲求が満たされていくのではないかと思います。ただし,ややこしくなるのでここではどこからが宇宙だという議論はしないことにします。何れにしろ,宇宙空間の観光や宇宙空間を利用したエンターテイメントが始まるのは間違いないでしょう。
未来の世界では
これらのことを踏まえると,従来の様に政府が大規模なミッションを掲げて総力で向かっていく時代ではなく,既に幾つかの革新的な企業がそうしているように,国主導ではなく民間企業主導で宇宙ビジネスが展開されていく時代になったのではないでしょうか。国家予算を投じる以上,国民全体からの支持が得られる必要があり,全体からの同意が得づらい発展途上の領域への動きが遅くなってしまうため,その領域に手を出す意志のある人だけが集まって企業として活動する方が時局に柔軟に対応出来るという理屈です。では政府は宇宙から手を引くのかというとそうではなく,通信や安全保障などの地球上の生活を守る意味でも,今後の宇宙ビジネスへの道を繋ぐ意味でも「インフラとして」地球と宇宙を結ぶロケット技術を保持し続ける価値があると考えられます。また,科学的なミッションは直接利益に結びづらく,かつ,大規模なことが少なくないため政府が引き受けることになるでしょう。
そして,政府には他にも重大な役割があります。それは法整備と標準化です。現在の主要な国のほぼ全ては法治国家ですし,ビジネスの世界ではデファクトを取った規格は絶大な権限を持っています。国際的には宇宙条約が取り決められている他,ルクセンブルグとアメリカが独自に宇宙ビジネスに関する法整備を進めていますし,欧州諸国や,日本と東南アジアはそれぞれ技術交流という形で緩やかな繋がりを持ち,標準化を図っています。そういった流れを組んで,一個人としては,自分のやりたいことを支援してくれる国がどこなのかにアンテナを張り,時には呼び掛けをし,ブルーオーシャンに挑戦して既得権益を獲得していきたいものです。筆者は宇宙エンターテイメントを狙っていますが,是非皆さんもわくわくするようなビジネスを見つけて,世の中を便利に,そして,面白くしていってください。
皆さんも新時代を担う一人
最後に,宇宙ビジネスをやる上で何が必要になってくるのかを筆者の視点からお伝えしたいと思います。ただし,ここで焦点を当てるのは,既に始まっている衛星ビジネスやロケットビジネスではなく,10年以内に訪れるであろう宇宙空間での本格的な民間の有人活動であることを予め断っておきます。
宇宙は未開の地
まず,そもそも活動をする上で必要になるインフラを頭に入れておきましょう。全てを自分で賄う必要はありませんが,調達するにしろ誰かがやる必要があり,これそのものもビジネスになる可能性を有しています。
ロケットなどの移動手段,航海経路の策定:先にも触れたようにインフラ化されていくのではないでしょうか
食料・水・空気の供給:人間が今の身体のまま生きていくなら必須ですね
発電と燃料生成・宅配:全て地球から持っていくのは阿保らしいので現地調達しましょう
太陽嵐シールド:地球では大気に守られていても,宇宙に繰り出せば電磁波や放線に満ちています
デブリ回収:所謂「宇宙ゴミ問題」ですね
通信網整備:地球上以上に無線通信が活躍するのは間違いありません
心に留めておいてほしい3つの哲学
科学は事象観測の積み重ね
科学は,自然界から人類が発見したのではなく,自然現象を人類が観測できる範囲で数学という道具を用いて表現したに過ぎないという風に捉えておくのが良いと思います。ニュートン力学が量子力学に置き換えれていったように,人類の観測範囲が広がれば,それに合わせて科学というものは書き換えられて行きます。恐らく宇宙空間では地球上の科学ではどうしても説明の付かない現象に出会うでしょう。その時は是非楽しむ気持ちを忘れず,新しい世界に臨んでほしいと思います。
やる理由を探そう
ライト兄弟が人類初の固定翼飛行機で空を飛んだその時,それはほんの数十秒だったかもしれませんが,確かに人類にヒトも空を飛べるという希望と新しい時代の幕開けを感じさせたはずです。皆さんも何か世の中に出回っていない新しいことに挑戦するとき,その結果そのものは使い物にならないかもしれませんが,世界を変える力を秘めているかもしれないということを忘れずにいてください。
自分は世界で唯一の存在
何かを楽しいと思う主体も,何かをやりたいと願う主体も,全部自分自身のものです。シュムペーターが「イノベーションは新結合」と言ったように,世の中に提供出来る新しい価値は皆さん自身の価値観から生まれるものです。時には世の中に受け入れられない提案もあるでしょう。でもそれは,まだ世の中にその価値を測る物差しがないからというだけかもしれません。かの有名なGoogleでさえ,当初は広告で儲けるビジネスモデルが理解されずパトロンがなかなか現れなかったと聞きます。勿論,独りよがりなものを作っても受け入れられないでしょうが,本当に良いと思うことは挑戦し続ける意味があると思います。
培っておくべき5つの分野
筆者は電気系と数学を少し齧った出自ですが,その周りから有用な分野を5つ紹介しておきます。
最適化:あらゆることに応用が利きますね。自動化をするなら必須の技術です。
無線通信:上でも触れたように宇宙空間では非常に無線通信が重要になっていくはずです。
統計学:有限時間で宇宙の全てを把握することができない以上,得られたデータから推論する力は必須です。
マテリアル工学:宇宙空間では地球上とはまた違った性質の物質が必要になっていきます。
制御工学:最適化や無線通信とも繋がる技術ですが,宇宙空間ではロボットに作業をさせる機会が増えるはずです。
勉強したくなりましたか?今からでも遅くはないので何か1つでも始めてみては如何でしょうか。
制御工学に関してはアドベントカレンダの12/25の回に私,まこっちゃんが記事を書く予定です。興味を持たれた方はお楽しみに。
以上になります。長文でしたが,最後までお付き合い頂きありがとうございました。
楽しんで頂けたでしょうか。
では,また最終日にお逢いしましょう。