YouTubeは宇宙を内包しているか?
https://youtu.be/aXQmzH5ybzU
この動画を真っ暗な部屋でフルスクリーンで観ていただきたい。
真っ暗な動画を真っ暗な空間で観ても闇には溶け込めず、視界にはむしろ四角い光が浮かぶ。どんな闇であってもそれを映し出すディスプレイが発光する以上、2つの世界が混ざり合うことはない。
YouTubeは宇宙を内包しているか?
宇宙とはこの世全ての空間を指す。
「space」は「宇宙」「空間」の両方の意味を持つ。たしかに考えてみるとこの世はどこまでが空間なのかと問われた時、宇宙の内側までと言っていいほど、宇宙とは空間の概念そのものだ。
1990年代にBBS(インターネット掲示板)が普及し、人々の間でインターネットにセカンドプレイスが誕生した。
時代の流れとともに通信システムは進化し、点線面の広がりのように文字から画像へ、そして動画へとプラットフォームは拡張し2005年にYouTubeが誕生した。
従来のYouTubeは文字や画像というコンテンツに時間というベクトルを足したものであったが、今日に至る約15年間で空間というベクトルにも広がりつつある。
それには近年急速に普及しだしたYouTuberとVtuberの活躍が大きな要因となっている。
YouTuberはテレビ番組と比べて、より視聴者を意識した配信形式となっている。テレビのバラエティトーク番組等もそうではあるが、視聴者は芸能人同士のやりとりを俯瞰して観るというあくまで第三者視点なのだ。
それに比べてYouTuberは視聴者を常に意識し第二者として捉えているのが特徴的だ。
Vtuberは仮想空間に生きるバーチャルな存在のYouTuberを指す。
Vtuberがいるそこに実空間がないのは分かりきっているが、認識の中に空間というものは存在する。
Vtuberという存在そのものが、仮想ではあるが空間の肯定そのものなのだ。
つまりYouTubeは、意識としての対人空間、認識としての仮想空間の両方を獲得したのだ。
空間の種類は一つではない。
日々我々が生活している実空間はほんの一種であり、各空間たちは普段言葉通り住み分られているが時として相互に混じり合う。
さて、ここで問おう。
YouTubeは宇宙を内包しているか。
だが宇宙とは実空間を指す。
先程の見解を基に考えると、つまりYouTubeは宇宙を内包していない。
だか、今のYouTubeはビッグバンの前触れとも言えるだろう。
YouTubeは今日、AR、VRの機能拡張により、空間というベクトルに更に進化を遂げた。まるでいまにも卵の殻を突き破る雛鳥のように思える。卵の殻という絶対的な空間から抜け出し外の世界へと飛び立とうとしているのだ。
近い未来、視聴者とその視聴対象はインタラクティブな関係性を更に高め、インターフェースはワームホールとなり異なる空間同士を繋ぐだろう。
三角ボタンを覗くとき、三角ボタンもまたこちらを覗く。
さて、ここで改めて問うが
YouTubeは宇宙を内包しているか?
先程はしていないという結論に至ったが本当にそうだろうか?
「YouTube」という文字をゆっくりと発音して読んでみてほしい。
何か言葉が内包されていないだろうか?
作者