1-A12 ドアノブの開扉ジェスチャを用いた個人認証システムの提案
1-A12 ドアノブの開扉ジェスチャを用いた個人認証システムの提案
論文:
要旨:
我々は,ドアノブを捻る動作(開扉ジェスチャ)によって個人認証を行うシステムを実装した.本システムは,スマートロックを対象とした行動生体認証に基づく個人認証システムであり,ユーザがドアノブを捻る際の手の動きを利用する.具体的には,静電容量方式センサ,圧力センサ,加速度センサ,ジャイロセンサおよび地磁気センサから得られるデータに基づいてユーザを認証する署名を生成する.本システムは,解錠のために物理伴およびパスワードを必要としない.そのため,顔および指紋を利用した生体認証に比べ,プライバシの危険性も少ない.本システムを実現するため,10 名の実験参加者がデザインした開扉ジェスチャの動きを計測したデータを用いて,認証を行った.その結果,平均適合率 0.834,平均偽陽性率 0.014 の認証精度を得た.
新規性:
自由に開閉動作ができる
圧力センサを利用.
握力に着目.
通常の開扉ジェスチャのみの精度は94%を越え,関連研究の精度(80-90%)を超えた.
ジェスチャデザインを問わない
複雑な動作・単純な動作に関わらず識別可能
利用環境
個人宅
ユーザは5名以下.攻撃者が不特定多数.
既存の生体認証における誤認識率は100万分の1未満
今後の予定で得られる新規性
実験参加者に模倣してもらう実験の実施.
模倣耐性を定量的に調査.
期間の空けて認証精度が維持できるかを検証する実験の実施.
1週間,2週間,1か月をめどに空ける
不変性を定量的に調査.
実験映像:
認証結果:
ジェスチャG1は「参加者番号1の実験参加者がデザインしたジェスチャ」を示す.
また,参加者番号2の実験参加者は,2つのジェスチャをデザインしたためG2-1,G2-2となっている.
https://scrapbox.io/files/6566dd71ed9ff50022fc10d8.png