08 Taste Time Machine : 飲食物を過去や未来の味に変える装置の実現に向けて
宮下芳明(明治大)
ショート発表(発表10分 質疑5分)
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論文:
要旨:
もし我々人間に「時間を自在に操る能力」があれば、熟成年数が浅いウィスキーの時間を10年早送りしたり、黒く熟れたバナナの時間を数日巻き戻したりして食しているだろう。本稿では食品の味変化を測定・モデル化し、味物質や中和剤を添加して時間の順行・逆行両方向での味変化を可能にした。たとえば未熟なトマトや作りたてのカレーの味を数日後の味に変え、熟れたトマトや一晩おいたカレーの味を、以前の味に戻せるようになった。
採録時コメント:
著者らの味ディスプレイの応用として、食品の時間を制御した味にする(熟成させる、味を若く戻す)といった目的に対しての手法提案と実験を行っています。論文の記述や読みやすさには少し難がありますが、味の時間変化を制御するという事実自体が明らかに面白いため、査読者も全員ポジティブな評価をしていました。一方で、これによってどのように世界が変わるのか、どのようなインタラクティブシステムに応用可能なのか、という点を是非深掘りして議論していただきたいというのがレビュアの求めるところです。
参加者メモ・コメント:
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味覚デモ付きプレゼン!!!!!!teramotodaiki.icon
デモのためのサンプルが配られるのすごい!matsumur.icon
単著だけど配布スタッフがいるのは面白いnarumi.icon
テレイート技術!𥱋瀨洋平.icon
「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ」ってやつですね(違teramotodaiki.icon
無が乗ってる寿司の写真面白いnishiyama.icon
↓もう全部飲んじゃった人は自首しましょう𥱋瀨洋平.icon
むしろ僕個人的には飲んじゃいけない味の予感…(宗教上の理由によりトマトは食べない伊藤貴之(お茶大).icon
食べたことないので熟成度合いが全然わからなさそう伊藤貴之(お茶大).icon ← 全然わからないですが味の違いはわかりましたくらもといたる.icon
↑仲間がいるくらもといたる.icon …のですが最近食べる世になってきたので大変申し訳なく…
裏切られた!w
トマトは食感がダメな人が多そう
青臭さがダメだったので実は「味だけトマト」だとけっこういけることに気づいたのは発見
逆に伊藤先生でも口にできる生トマトの可能性𥱋瀨洋平.icon
何の味か教えずに飲ませたら食わず嫌い克服ツールとして使える可能性はありますね伊藤貴之(お茶大).icon
↑飲む前にトマトと聞かされたことが悔やまれるw
美味しいご飯を食べてお腹を下す体験ができる(需要)Tatsuya NAGASAWA.icon
口をゆすぎたい(笑)園山タカスケ.icon
(”味の経時変化”って聞いて官能評価的な意味のほう(Time Intensity:口に含んでから飲み込むまでの味の変化)だと思ったらもう少し長いスパンの話でした)HiromiNakamura.icon
甘味が逓減しにくいのは、糖類の化学的安定性に由来するんですかねnishiyama.icon
UIがめちゃくちゃカッコいいwteramotodaiki.iconnishiyama.icon
物体に滴下したら局所的に味が変わりそうTatsuya NAGASAWA.icon
matsumur.icon 置いておくときの条件は?
論文に条件として書かれていますが温度や湿度も管理しています。(宮下)
確かにトマトっぽい味がする…!!!teramotodaiki.icon
思った以上にトマトでした
時間の逆行・順行を考えると、香りも大きな要素になりそうですが、(たとえばトマトは時間を戻すと青臭さがでるなど)その辺りもコントロールできると面白そうです
味の逆行を極めれば,摘みたてどころか摘む前トマトが味わえるのでしょうか?shogo sekiguchi.icon
値は出ますが、それが現実と同じになるかどうかは保証できませんw(宮下)
ベニテングダケみたいに毒だけどおいしいみたいな食材の味を知りたいです
次はTaste Parallel worldになりそうwHiromiNakamura.icon
調合は液体の状態で行っているのだろうけど、モル量みたいな単位で量子化(?)すれば味の操作に便利かもしれないnishiyama.icon
つい鼻をつっこんで匂いを嗅いでしまうのは人の常なのかしら…なんか認知が混乱する(笑)くらもといたる.icon
日本酒の試飲感覚でやってしまいますね…多分カップが同じ形状だからだと思うんですがnishiyama.icon ← それかもくらもといたる.icon
体への影響がどれぐらいあるのか...,気になる.Yusuke Ashizawa.icon
ワインソムリエのテイスティングの練習にも使えたりするかなyumu.icon
ワインのデキャンタージュみたいな短時間(数分)の変化を再現するのおもしろそうyumu.icon
マインクラフトで緊急時に食べる腐肉を腹を壊さずに体験できそう。持ち歩いた日数によって腐敗が進んで味が……とか。
納豆やチーズみたいな、腐るとおいしいものを、人体実験をせずに新たに発見できそうな。既においしい腐ったものを、どこまで腐らせたら一番おいしいかなどにも使えそう。
質疑応答:
油の酸化、「味の変化」は補正できたとしても、身体への悪影響はキャンセルできないと思われるので、使いかたによっては危険では?(酸化をごまかして店に並べるとか)、滴下で酸化をキャンセルできるのであれば良い?
そうですね。消費期限を超えるという話はそういう悪用可能性もあるのであまり主張しないようにしていました(宮下)
TTTVで付与できるのは、サラサラした液体の味だけ?それともドロドロした3日目のカレーを再現できる?narumi.icon
バナナスムージーの味制御の際には、とろみ剤を加えた水を使っていますので、カレーでもそれができます。今回はけっこう薄いカレースープなのでそういったドロドロ感は考慮せずに済んでいます。(宮下)
インターフェースかっけえ(笑)園山タカスケ.icon
ありがとうございます。宮下研B3の藤澤くんによるセンスによるものなので、ぜひデモでもお伝えいただければ再ウィアです。
食感との相互作用というのはあるのかな。matsumur.icon
まったく考えたことがありませんでしたが、ないことはなさそうだと思っています。今後考えてみたいと思います(宮下)
現地開催でよかった!yuki_igarashi.icon
僕もそう思っています。ここ数年、オンラインでの発表、飲食デモが禁止された学会での発表はとてもつらかったです。
今回のデモでは,トマトの味を変化させていたと思うのですが,食材によって変化させやすい・変化させにくいものはあるんですか?
水を弾くとダメなので、切るとかジュースにするとかしていただけると良いという言い方をしています。逆の言い方をすると、まるごとトマトを置いている場合はうまくいきません。トマトの味が変化したのではなく、トマトに何かドレッシングがかかってるような体験になります(宮下)
タイムマシンでつくったものを食材として、混ぜた時にどうなるのか?matsumur.icon
モッツァレッラチーズを持参したので、今夜みなさんにカプレーゼを振る舞おうと思います。(宮下)
味わった後の液体はどこに捨てればいいですか?
セッション終了後に我々で回収・廃棄しますのでそのまま置いていただければ幸いです。(宮下)