一面の桔梗
一瞬
、ぼくは、立ちすくみました。まばたきを、ふたつばかりしました。
ああ
、そこは、いつもの見なれた杉林ではなく、ひろびろとした野原なのでした。それも、いちめん、
青
いききょうの
花畑
なのでした。
ぼくは、息をのみました。いったい、自分は、どこをどうまちがえて、いきなりこんな場所にでくわしたのでしょう。
立ちすくむ
瞬き
一面の
桔梗
息をのむ
『きつねの窓』