むさぼるようにぶどうを食べる二人
草の上に、ならんですわって、サヨと若者は、
ぶどう
を、いっしょに食べました。それは、舌が、しびれるような味でした。若者は、ぶどうを食べながら、ひっきりなしに、サヨに話しかけました。(略)サヨは、うんうん、とうなずきながら、やっぱり、
むさぼる
ように、ぶどうを食べました。すると、自分の体が、
すきとおって
いくような気がしました。
すきとおった
『野の果ての国』