01_1_0 Etude
「プロット(Plotting)」とは、データが持つ変数や属性を座標に対応させ、空間に配置して描画する手法を意味します。
3Dデータビジュアライゼーションでは、3次元空間に何らかの視覚的なオブジェクトを配置することでデータの集合を表現するので、最低でも座標(x, y, z)の値にデータが持つ変数や属性に対応させる必要があります。データが3つ以上の次元を持つ場合では座標だけで表現するには不十分なため、配置するオブジェクトの色や形状もデータに応じて変化させて表現します。
プロットによるビジュアライズは、データがどのような特徴を持っているのか、データの各変数がどういう相関性を持っているのかを大まかに素早く把握することができます。対象とするデータをどのようにビジュアライズするかを検討する上でも、まずはプロットを行い状態を把握するのも有用な手段です。データには明らかに異常な数値が紛れ込んでいる場合も少なくありません。そのような異常値やノイズを初期段階で段階で把握することも後の工程を効率的に行うためには大切なことです。
table:表1データの例
観測時刻 温度(℃) 湿度(%) 風速(m/s)
9:00 15.0 25.0 0.8
https://i.gyazo.com/23012a98a3043bfd8409637c304316bb.png
図1 プロット
ある時刻の気象データを、3次元座標上にプロットする例。X座標を湿度、Y座標を風速、Z座標を温度に対応させている。
この章では、ビジュアライズ手法の中でも比較的プログラムが簡単なプロットを通して、3Dデータビジュアライズの基本形を解説します。その後、いくつかの作例で具体的なビジュアライズを紹介します。