VRChatのワールドでタイムライン演出を作る
私はここ3年以上ずっとVRChatのワールドでタイムライン演出またはそれに近いものを作ること(以下VRC演出ワールド制作)を続けています。新たに入ってきた人と話していると、この環境には押さえておくべき特殊なTipsがあったり、普通にVRChatをプレイするよりずっとUnity・3DCG一般の前提知識が必要だったりすることを、改めて感じます。
情報は共有されていることもあります。ただ、界隈の外からは見つかりにくく、また内側では常識となっているような知識を再共有する人は少ないため、新たに入ってきた人が困っていることがあります(※1)。
VRChatの日本人ユーザーの母数が2024年に大きく増えたあと、若干のタイムラグを経て、ワールドを作る人やアバターに仕込むタイプのパーティクルライブを作る人、いずれも新しい人が増えているのを各種イベントの参加者増から感じています。
ワールド制作やアバター型パーティクルライブ制作については初心者向け講座的なイベントや入門記事も増えてきていて、それらは確実に作る側の人を増やすことに繋がっているように見えます。
一方でVRC演出ワールド制作については演出とワールドの両方が必要なこと、多くの場合はチーム制作になることといったハードルの高さに加えて、そういった入口も少ないことから新たに始める人はそれほど多くないように感じています。
その時々で関わり方の濃淡はありますが、私は演者・環境のルック調整を担当しつつ、シェーダーやUdonプログラムの作成、エディタ拡張開発、パーティクルシステム以外を含むエフェクト作成、シーンや演出の最適化等を行っています。これは受け手からクオリティと呼ばれがちな部分を担保できる役割(※2)だと思いますが、制作チームによっては1人もいなかったり、様々な案件のクレジットで共通する名前を見かけることが多かったりします。
そういった状況なので、NDAに反しない範囲で自分が知るTipsや既に他の方から共有されている情報を、表題のテーマに沿ってまとめてみようと考えました。元々はVRChatからCGやプログラミングを始めた身なので、未だ内容に間違いや不足があるかもしれないといった不安があるわけですが、気づけばこの領域に限ってはだいぶ場数を踏んでいる側になっており、そう言っている立場でもないように思えてきたというのもあります。
そもそもこの特殊な環境でのTipsにどれだけの価値があるか、それができる人を増やすことが本当に良いことか…という疑問もありますが、それは一旦良しとすることにしました。特有のテクニックも確かに多いですが、それ以上にUnity・3DCG一般に繋がる知識も多く含みます。
また、あらゆる環境に様々な特有の制約があるはずです。VRChat特有のスキルではなく、環境特有の制約に対処する方法を考えていくスキルと見做せば、それはまた別の環境でも役に立つはずです。
2025.12
※1 企業案件の情報は共有しにくいこと(NDAがありその対象はもちろん共有できず、また公知といえる一般的な内容との線引きが難しくそちらも共有しにくい)や、既存の輪に入っていないとチーム制作に入るきっかけが得にくい等の要因もあると思います。なお例えばUndestinedは情報共有をしてよいという形で参加させて頂いており、こういった制作は貴重なので活かしていきたいです。
※2 私はテクニカルアーティストでクレジットをお願いすることがほとんどですが、ゲーム業界のテクニカルアーティストとは多分結構違っていて、でもそれ以上に適切な呼び方はわかりません。TAというよりグラフィックエンジニアとVFXアーティストとUnityクライアントエンジニアを浅い部分で兼ねている感じでしょうか。ゲーム業界のそれらについてちゃんと知っているわけではないですが…
Cosense、ページ内ジャンプが設定できない…