独り占めか協力か
資本主義では、「金を儲けた方が得」という仕組みになっていて、技術の独占をした方が儲かりやすい。
技術を独占している場合、再発明されたり、独占権利を失うことで独占状態が解消されるまで、社会的に技術が共通化されない。
技術の発明、構築には大きな投資が必要である。この投資額を回収する手段が必要とされる。技術を単純に公開してしまうと、回収する見込みがなくなってしまう。
技術のコピーにより、技術の発明者がコピーした者より知られない(名誉が奪われる)ということが起こる。
極めて単純な技術であっても、特許として申請することで独占できてしまう。
理想を考えると、以下のような仕組みが必要である。
技術は即公開され、社会に共有される。
技術の発明者が明確である。(名誉を与える)
技術の発明者に十分な褒賞(投資分+利益分)が与えられる。
問題
初期投資額は青天井である。
「コロンブスの卵」のような発明はかなりある。
適正な報酬額を設定することが難しい。
資本主義であれば、「誰かが買う」ことで価格が決定される。
この価格決定は複数の売り手と複数の買い手の間で大量に行われることで適正な価格が自然と導かれる。
一方、技術は1つ限り、売り手は1人限りであり、大量に売買することが難しい。
買い手はできる限り安く買いたく、価格競争をするため、価格は下がる傾向にある。
コピー品、偽造品のようなものは価格を不当に安くできてしまう。
価格を不当に下げて、独占状態にしてから価格を引き上げるようなことができてしまう。(ダンピング)
別の所で収入がある人が、副業的にタダで何かを提供することで、価格を不当に下げることができてしまう。
安易な褒賞システムはモラルハザードを起こす。
技術をこっそり利用した場合、その利用料を取り立てることが極めて困難である。